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古来、「遠い旅 珍しい果実」という。ホンモノの果物ということではない。遠くへ旅にいった人は、見たことも、聞いたこともない貴重な、興味深い話を持ち帰るということだ。

 

だから人は、珍しい果実があるという遠い旅に憧れる。いまどきはアジアへ、ヨーロッパへ、アメリカへと旅に出る。夏休み本番、国際空港のターミナルはいずこも人であふれかえっている。

 

しかしちょっと待ってほしい。珍しい果実はいまや必ずしも遠くへ行かなくても得られる方法があるのである。時間と空間、距離をなくすインターネットの時代には、自宅に居ながらにして、遠い外国での珍しい話が聞けるのだ。

 

それが e ブックランドである。世界中で読まれているネット時代の出版社だけに、最近、外国に居住の日本人からの出版申し込みが相次いでいる。

 

ちょうど電子出版なった『平成の宮本武蔵 二宮城光』(山本春樹著)は米コロラド州の州都デンバーから届いた。二宮城光氏は格闘技の世界では有名だが、一般にはそんなに知られているわけではない。主に海外を舞台に活躍しているせいもあるだろうが、平易な文章で書かれたその生涯は、読んでみるとじつに痛快で面白い。これは貴重な珍しい果実だ。8月末を目指して単行本の出版の準備が進められており、早くも問合せが殺到している。

 

パリからは日めくりスタイルのエッセー集『 Petit Bonjour 』( ZOU ・すが乃ひろこ著)が寄せられた。最初に読んだときに、巧まずして見事なパリ案内、フランス案内になっているなという印象があったが、素直な文章に繊細なかわいらしいイラストを散りばめて、めったにない魅力的な作品に仕上がった。

 

ベトナムのハノイ在住の鈴木みん氏からは3月に『記憶の器』が送られてきた。インターネットのやり取りだけで編集が行なわれて電子出版され、すでに PDF&BBeB 両方合わせて 206 ダウンロードもされているからご存知の方も多いと思うが、これは最高級の SF である。

 

異国の空の下、鈴木氏の脳裏には次々と新しいアイデアが湧いているようで、新作『心のすきま風』がメール添付で届いた。間もなく出版になるので、乞うご期待である。

 

このようなわけで e ブックランドには外国になど足を運ばなくても珍しい果実が次々と実っているので、ご賞味あれ! とにかく社長も驚いている不思議な出版社なのだ。

 

by Sanshiro 更新:2007/08/03 04:46 作成:2007/08/03 04:46

 

「疎開の話です」というから、戦争中に日本の地方に疎開した昔のことを書くのかと思っていた。

ところが出版されたノンフィクションを読めば、地方は地方でも満州だという。戦禍を逃れて満州の鞍山に行くことも、当時の日本では疎開だったとは知らなかった。

 

e ブックランドで出版になった『おじいさんが孫に語り継ぐ疎開話』(愛波磐根著)はじつに興味深い。太平洋戦争末期の日本の世相、そして満州で起きた出来事が手に取るようだ。

 

筆者が日銀の調査マンだったこともあるかもしれない。大きなスケールで激しく動いていた満州の様子が、日々の人々の暮らしに至るまで、著者の目で数字まで添えて正確に描かれている。

 

ソ連軍が参戦して日本の支配が終わった後、満州支配をもくろむ蒋介石の国民軍、これを駆逐する毛沢東の八路軍と、三者入り乱れて刻々と変わる緊迫した政治状況の描写も息を飲むほど鮮やかだ。もちろんその中で負けた日本人社会は、不安のどん底でもみくちゃである。

 

作品の表紙は赤、カーキー色、それとブルーでデザインされた。これは著者が忘れようにも忘れられないソ連軍の赤、毛沢東軍のカーキー色、蒋介石軍の青だという。可愛い孫が生まれて、いよいよ書き残しておかなければと書いたおじいちゃんの疎開話は貴重な歴史資料にもなっている。

 

戦後は遠くなりにけり、といわれて久しい。しかし、いま再び日本を取り巻く状況は、冷戦終焉以降、これまでになく流動的になっている。いつ何時、大変動が起きないという保障もなくなってきた。

 

このような時代に、国際政治というものがかく動いた、動くのだということを克明に記録した『おじいさんが孫に語り継ぐ疎開話』は目を通すに値する。孫に語り伝えるのはもちろん、すべての日本人が読み、語り継がなければならないノンフィクションである。


by Sanshiro 更新:2007/06/01 18:49 作成:2007/05/26 19:28


「日本人がゾウを殺している」と大きく書いた貨物自動車をロンドン市内で見つけたのは、
わたくしが新聞社のロンドン特派員として赴任したその年、 1989 年のことだ。 象牙で作ったハンコを使う慣習の日本人が、象牙の価格を吊り上げてゾウの大量殺戮の原因をつくっていると、自然保護団体が抗議の集会を開こうとしていた。

 

経済成長を続ける日本にたいする風当たりがとても強かったころである。ゾウ殺しの日本を非難する風潮はどこへ向かうやら、分かったものではない。早急に対抗策を講じなければならない。まずは事実はどうなのか、実地に調べなければ・・・。 象牙を取るためにゾウの密猟が盛んにおこなわれているというケニアに飛んだ。

広大なアフリカである。そう簡単に実態がつかめるわけもないが、キリマンジャロ山の頂を真近かに見上げるアンボセリ国立公園などで取材するうちにおおよその輪郭はつかむことができた。とにかくアフリカの野生ゾウは激減しつつあった。

 

ベルリンの壁崩壊前のあわただしい時期の取材は、「密猟大陸」というタイトルで連載になった。また象牙問題は国際会議の末、ゾウの禁猟から象牙の輸入禁止へと展開した。

 

このケニア取材で通訳を兼ねて現地でのアシスタントをしてくれたのが中村千秋さんで、これが縁になって e ブックランドで『ゾウと共に未来を考える』(e-Book広場、 525 円)を電子出版することになった。
http://www.e-bookland.net/square/ebook.aspx?id=EBLF41101100&c=1

中村さんは女子栄養大学からミシガン州立大学大学院に進んだ後、ケニアのサバンナでソウのウンチを分析しながら地球環境を考えていた。

 

しばらく象牙のことは忘れていたが、最近、気がかりな報道があった。再びゾウの密猟が盛んになっており、ケニアとマリの合同調査によれば 2004 年末から 06 年末までのおよそ 2 年間に違法取引された象牙は 41 トンで、このために 5900 頭のゾウが殺されという。

 

これは押収された象牙だけの計算、氷山の一角に過ぎない。同じ期間にその 7 倍近い4万頭が殺されたと推測され、推定 60 万頭といわれるゾウはまたも種の存続の危機に瀕していることがあきらかになった。

 

これは単に象牙のためばかりではないだろう。ケニアの隣国ソマリアでは内戦で銃をかついだゲリラが密林に逃げ込み、ケニア領内にも入り込んで生きるために野生動物を撃っては食べているという。このところ稀少な象牙は再び高値で取引されるようになっており、こうした軍資金を求める密猟者たちの格好の標的になっていることも考えられる。

 

この正月、日本に一時帰国してゾウと環境問題について日本各地で講演した中村さんは再び、ケニアに戻ってゾウの生態のフィールドワークを続けている。またも激化するゾウの密猟を一番、悲しんでいるのは彼女だろう。

 

大阪南港で象牙3トンが押収されたように、日本への密輸入が続いているという事実がある。日本人はなにも悪いことはしていないとシラを切ることはできない。

それにしても中村さんがせっかく現地にいるのだから、政府発表や新聞報道ばかりではなく、もっと詳しく事情をレポートしてもらいたいものだ。サバンナでゾウを観察して20年の彼女のこと、きっと長い鼻の相棒にも聞いて本当のところを教えてくれるだろう。

とメールでお願いしたら、ゾウの生態を探訪する今年の千秋エコツアーの参加申し込みが少なめなのでよろしく、と返電があった。 この夏の8月20日発、8月28日発ともに、まだ空きがあるらしい。

サバンナに暮らすゾウたちを、中村さんの案内で実地に訪ねて、自分の目で確かめるのが一番という返事のようだ。皆さんもいい機会だから、現代のサファリをケニアで楽しまれてはどうだろうか。

中村さんの千秋エコツアーの案内サイトはこちらです。
http://www.eco-tour.jp/view.php?id=J0703310001
 





by Sanshiro 更新:2007/05/31 04:38 作成:2007/04/29 08:45

 

e ブックランドの直販システムが完成して動き出した。

他所の出版社で自費出版した本や、絶版になった本も販売できるという画期的なコンセプトのネット書店だ。 販売の還元率も最大80%と高いので、ぜひ、多くの著者と出版社に利用していただきたいと思う。
 

これで電子出版から書籍出版、さらにはその販売までの出版のすべてを、 e ブックランドはフルコースで提供できるようになった。 電子と紙の出版のみか、本の販売までを自前でおこなうという形態はこれまでにはなく、まさにネット時代の出版社の誕生といえる。

 

これらのプロセスは、すべてインターネットで処理することができる。その気になれば電話もファックスも要らない。インターネットそのものは時空を越えてタダだから、北海道から九州、沖縄、はるかに海外の著者の方々の作品を容易に扱うことができる。 出版の費用も安くできる。 自費出版の同業他社からは安すぎるとやっかまれるほどである。

 

今日は長崎県五島在住の詩人、中須川シカリ氏の作品『二十一世紀の赤坊達よ』が電子出版になった。 先日はベトナムのハノイ在住の作家、鈴木みん氏のSF『記憶の器』が出版になっている。鈴木みん氏は他の出版社で出版した本も販売できるeブックランド直販に目をとめて、早速、自著の『孤独の地球』(新風舎 2006年9月刊)を寄せてきた。

 

このほか e ブックランドは朗読ボランティア全国ネットワーク「お話し Pod 」というポッドキャスティングを運営し、それらの作品の一部をオーディオ出版「お話しマルシェ」で販売している。その流れで「自分の声ソフト Polluxstar 」の販売代理店もするようになった。

 

このことはなんら不思議ではない。言葉というものは文字と音声から成っている。その伝達手段がインターネットを駆使するIT革命で大変動を起こしていることから、その最先端を突っ走る e ブックランドが自然、両方とも扱うことになったのである。

 

e ブックランドとしてはこのあたりで出版というものの原点に戻って兜の緒を締めねばなるまい。 出版の本流に漕ぎ出したからには、責任というものも伴ってくる。文字こそは人間を人間たらしめているものであり、 Book 、本はいわば人類の遺産のコンテナーだ。 軽々に扱うことはできない。

 

かといってその先に一般の商業出版社のような未来があるかといえば、そうはならないのではないか。 旧来の書籍と雑誌は、人々が情報を入手するルートが次々と新しく生まれるなかで、年々、売上を減らし、その重要性は薄らいでいる。

 

すでにその兆しがみえているように、 e ブックランドはいまだかつてなかった新しい時代にふさわしい情報伝達を試みてゆくことになろう。そしていまだかつてなかったマルチ出版社になって、寄せられる作品は電子出版、書籍出版、携帯出版、さらには音声出版とマルチに発信されて、その中からヒットも生まれるに違いない。





by Sanshiro 更新:2007/05/08 09:22 作成:2007/04/13 19:45

 

e ブックランド直版誕生

 

 書籍を販売するe ブックランド直販を一般に開放した。その誕生の裏話をしておこう。

 

もともと e ブックランドには、自ら本を売るという発想はなかった。 IT 革命を電子出版で広めよう、そして IT 革命に出遅れた日本に活をいれようと立ち上げたサイトである。

本とのかかわりは、電子出版はしたけれども、紙本で読みたいという人がいるので単行本にしたいと著者が言い出すようになって、昨年夏ごろから書籍出版が相次いだことに始まる。

 

出版の費用を著者が出す自費出版だから、出来上がった本は著者が必要な分だけ受け取り、残りは e ブックランドで販売するというのが妥当だろう。 e ブックランドはネット書店アマゾンで販売する契約をしているし、必要ならば店頭販売をしてくれる配本業者もいる。なんとかなるだろうと気楽に構えていた。

 

しかし一旦、紙の本にすると、また別の欲がでる。売れるものならもっと売ってみたい。なにより著者が喜ぶだろう。店頭販売の交渉がスムースに運ばないので思案するうちに、 e ブックランドで直接販売してみてはどうかとひらめいた。「永遠という名の一瞬」(十和音 響著)が電子ブックのダウンロードの調子がよくて、書籍でも出版になった昨年の暮れのころで、早速、メールと電話で注文を受ける直販ページを設けた。まずは代金の銀行振り込みでの受付・発送である。

 

出版した本を、出版社が直接販売する。この販売方法そのものが正式なスタイルではない。商業出版社では、著者に自著を八掛けで販売するほかは、取次という出版社と書店を仲介する本の卸業者を経由して売ることになっている。あとはせいぜい電話での注文に応える程度だ。新刊書籍は日本では価格維持の再販制度該当商品でもある。

 

こうした日本の出版流通システムに、アメリカで成功したアマゾン・コムがネット書店で参入、たちまちインターネット書店の最大手にのし上がった。在庫を持たず、決済まですべてネット上で済ませてしまうシステムは、旧態然とした日本の出版界に激震を起こして、今日に至っている。対抗できることは結局は自前でホームページやネット書店を立ち上げて、やはりインターネットを駆使することでしかなかった。

 

 eブックランドも早速、この道をたどることになったわけだが、自費出版の作品に特化したネット書店を立ち上げたのにはもう一つの理由がある。eブックランドでは小ぶりながらベストセラー級の本が早くも生まれているが、他所の自費出版社に聞けばますます本の販売が難しくなっているという。商業出版社でさえも本が売れない時代なのだから、自費出版ものが売れないのはやむを得ないだろうといった単純なものではないらしい。

 

本が読まれない、売れない現象が深まるとともに、出版社は手を変え品を変えてというわけで、とにかく出版点数を増やしている。そのあおりで書物の寿命を短くするだけでは間に合わずに、店頭が本であふれかえることになった。そのあおりで自費出版の本がこれまで以上に隅に追いやられているというのだ。

 

こう聞けば電子自費出版社の草分けで、自費出版の本にもすばらしい作品があることを知った e ブックランドとしては黙ってはいられない。幸い、 e ブックランドにはネット上でダウンロード販売するためのショッピングカートがある。これを活用すれば自費出版の著者のための本の直販サイトが運営できるのではないか。アマゾンに似た自費出版系ネット書店の構想が浮かんだ。

 

かくて「 e ブックランド直販」が誕生した。当初、有料にすることを考えたが、無料にしたほうがきっと繁盛するという意見が多く、著者ならどなたにも、またどこの出版社にも無料で開放することになった。利用する側の初期負担は、eブックランドへの献本1冊だけという敷居の低い本の販売サイトになる。

著者と出版社への還元率は、配本をeブックランド直販に委託する場合は60%、配本を自ら行う著者や出版社には80%とした。還元率が高すぎるようにもみえるが、大手出版社と取次間の仕切り値はこのレベルである。割りを食っている中小零細出版社もeブックランド直販を利用すれば、高還元率と早期の資金回収ができるようになる。1万円以上の売上が立てば、2ヵ月後には振り込まれて、出版界の慣行のように支払いは6ヵ月後などというべらぼうなことはない。

 

軌道に乗るまでには、電子出版社 e ブックランドが3年かかったように、これから3年はかかるだろう。そのころ 2010 年には光ファイバーが日本列島を覆っているはずだ。

by Sanshiro 更新:2007/05/08 09:23 作成:2007/03/30 11:25

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