だからもっと
e
ブックランド
2008年は新年早々、株価が暴落するなど波乱の幕開けになった。
経済報道をリードする日本経済新聞の新年企画は「円漂流 縮む日本」というタイトル。元日は「沈む国と通貨の物語」の主見出しで、日本円の価値がなくなっていまや明治時代さながら、「漱石の嘆き
いま再び」とまで書いた。
よほどのことが起きているのである。だれしもが先行き、どうなることかと不安を覚えていることだろう。
この事態の原因の半分は日本と日本人が、
IT
革命への対応の遅れから地球規模市場の競争時代についてゆけなくなったことからきている。
だからもっと
e
ブックランド―と申し上げたい。
自力・自費の電子出版社
e
ブックランドのルーツは、バブルがはじけて日本が大不況に陥った1990年代にまでさかのぼる。謙譲の美徳を重んじる日本人と自ら発信するインターネット社会はとても相性が悪い。だから日本ではパソコンの個人利用がなかなか普及せず、IT革命で出遅れた。この状況を楽しみながら改善して、インターネットの利用率を引き上げたいと構想されたのがeブックランドという自己表現のステージである。
光の波を利用して情報を伝達して時間と空間をなくすインターネットは省エネ、省コストのツールである。これを利用できない国と民族はこの地上でその存在が次第に稀薄になってゆく。地球規模の激しい市場競争のなかではインターネットを駆使してコストを抑えたビジネスしか生き残れなくなる。けれども、慢心した日本ではそれが理解されていない。
これを懸念したわたくしは90年代後半、『ネット敗戦』(KKベストセラーズ
2000
年1月刊
)
を書いて警告した。そして何がなんでも日本列島規模でインターネットを普及させなければならないし、それを遊び、楽しみながら実現できる仕掛けが必要だと考えて、
e
ブックランドを立ち上げた。
中途半端なIT化はむしろ逆効果になる。国民のほぼ全員がインターネットとパソコンが使えないと、これまでのアナログな紙の広報などもなければならないために社会維持のコストが二重にかかってしまう。それが結果的に日本製品のコスト高を招く。
これが今の日本で起きていることである。なにかというと役人の介在を許して、構造的なコスト高の日本の仕組みはほとんど変わっていない。政治家も有権者の多くも、必要な改革の意味と方向さえ分からず、いまだに税金をむしり取って使うことばかり考えている。なお続く莫大な赤字国債の発行は日本のコスト高の象徴といえる。
インターネットとパソコンの普及もなかなか進まない。その代わり携帯でのネット利用が増えているが、扱える容量が小さすぎて社会の体質転換には十分ではない。2010年までに日本列島を網羅する光ファイバーの普及は見通しよりも利用が大幅に遅れて、ユビキタス社会はいまだに掛け声ばかり。それどころかインターネットの利用増大で困惑する既得権益グループと守旧派の失地回復がいたるところでみられる。ネットを利用した悪質犯罪に真剣に取り組んで効果的に摘発できない所管の役所も同罪だ。
これでは日本と日本の円の価値が小さくなって世界から見限られるのは当たり前である。工業化がまったく進んでいなかったために最初からネットインフラで国造りを始めた低コストの国々の商品には太刀打ちできない。ネット化した世界は日本人の想像を絶するスピードで変わっている。このままでは天文学的な国家の借金を抱えたまま日本経済が破綻するおそれさえ出てくるだろう。
世界一の豊かさを誇った過去を想い出してニマニマしながら余生を過ごすというのも日本人の一つの生き方だが、それでは子どもたちの未来はない。もう一度、ねじり鉢巻して日本の情報化と必要な改革を徹底しようではないか。
マルチ出版社eブックランドはそのお役に立ちたいと、その先頭に立っている。
by
Sanshiro
更新:2008/01/20 05:20 作成:2008/01/07 05:04