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アフリカは豊かな穀倉地帯に変貌できる

明けましておめでとうございます。
今年のわたくしの仕事初めは電子書籍の連載「列島改造論からアフリカ改造論へ」です。序文ができたので、一足早く社長ブログでご覧ください。

はじめに
まさか恐怖の自爆テロの時代に、局面打開の救世主として田中角栄元首相の名前を聞こうとは思いもよらないことだった。
ほとんど忘れかけていた田中元首相の名前を口にしたのは、JICA(国際協力機構)の職員である。

「いまの中東アフリカはみるも耐えがたい。自爆戦士と難民の群れが北に向かうのを思い止まらせるにはアフリカを豊かにするほかはないと思う。日本はコメ作りを大々的に支援してはどうだろう」と、わたくしが持論をまくし立てるのを聞いていた職員は、「セラードというのをご存知ですか。南米を訪問した田中角栄首相が日本の国際協力を申し出て、不毛の原野として放置されていた熱帯サバンナを世界有数の穀倉地帯に変えたのです」
「いまや大豆の生産でブラジルはアメリカをしのぐ世界一の生産国なのですよ」という。

そして「セラードのような熱帯サバンナは、じつはアフリカ大陸にブラジルの何10倍も広がっているのです。これらの熱帯サバンナを開墾し、栄養分を失った土地をブラジルがやったように改良すれば、様々な農作物を育てることができるようになるはずなのですが・・・」と、歯切れが悪い。
これまでもブラジルの成果をアフリカに活かそうとする日本とブラジル、モザンビーク3カ国の合同開発計画があったけれども、とん挫しているのだという。本文で詳述する2011年から10年計画でスタートしようとした「プロサバンナ計画」のことだ。

後日、取材して分かったことは、開発計画が明らかになるやロンドンに本拠地を置く環境保護団体が反対運動に乗り出し、日本はもちろん世界各国の自然保護や野生保護のグループに呼びかけて抗議行動を始めた。昔からの地元の農民たちにも「だまされるな」と吹き込んで事業に着手さえできない不穏な状況を作り出した。このためにせっかくの計画が執行できないまま宙に浮いてしまったのだという。

この事態は「残念なことですね」といって簡単に片づけるわけにはいかない重大な問題をはらんでいると思う。
わたくしは1989年にケニアでゾウの密猟を取材したことがある。だから自然保護、野生保護の大切さは知っている。当時は「ゾウが生きられないような地球は人間も生きられない」という彼らのスローガンに感心し、同感もした。
しかしいまの中東アフリカはそれどころではない。自爆テロ戦士を輩出するのみか、絶望した難民たちの群れが北方のEU諸国に殺到している。その数は2015年の1年だけで100万人を越えた。

「自然破壊を許すな」といういつもながらの論理で開発反対運動をあおり、妨害する環境保護団体は時代錯誤に陥ってしまったといえよう。百歩譲ってそれが善意から出た抗議だとしても、中東アフリカ情勢は激変した。アフリカ市民を豊かにしようとする熱帯サバンナの開発に反対する環境保護団体は、いまや事実誤認によってゾウたちを殺す側に回っていることに気が付いていないのだろうか。
もう希望がないからと人間が逃げ出すようなアフリカで、ゾウなどの野生動物が生きられるわけがない。「人間が生きられないところではゾウも生きられない」と現実は逆転してしまった。実際、おとなしいゾウは象牙を売って活動資金にしようとする過激派組織の餌食になって日々、急激に数を減らしている。

それともロンドンに本拠地を置く環境保護団体の動きは旧宗主国の政府の意向を汲んでのことなのだろうか。そうだとすればうなずけなくもない。
奴隷狩りの時代からアフリカを支配してきた旧植民地帝国主義の国々は、相も変わらずアフリカ市民を下僕扱いして、貧しいままに捨て置こうとしているようにみえる。多くのアフリカ市民は劣悪な生活環境のままに暮らしており、まともな教育も受けられない。だから人々は希望を失って死をも賭して地中海に乗り出している。

しかしながら熱帯サバンナを肥沃な農地にしてアフリカを豊かに変貌させようとする試みを邪魔している環境保護団体の抵抗は、もうアフリカ市民の支持を得られないだろう。国際情勢が様変わりしたからばかりではない。計画の中断騒ぎが報じられて、ブラジルを世界有数の農業大国にした「セラードの奇跡」についての情報が一般のアフリカ市民の間に広く流布されて浸透したからである。
あのブラジルがなぜ、五輪を開催できるほどの農業大国になったのか。その秘密が日本の国際支援で始まった熱帯サバンナ=セラードの開墾にあったという事実を、知識欲に燃えるアフリカ市民の多くが知るようになった。その熱帯サバンナがアフリカにはほとんど無尽蔵に広がっていることを知って、我々もとブラジルの現地に視察団を送り込む国が増えている。
これらのアフリカ市民はもうすぐ開発に反対する環境保護団体の偽善を見破って、こんどはアフリカをサファリを楽しむ遊び場として、貧しいままに捨て置こうとする無責任を追及しはじめるに違いない。

野生動物の保護についていえば、ブラジルのセラードでは野生の動植物の環境保全にも気が配られている。農場周辺には自然保護回廊が縦横に張り巡らされ、熱帯雨林を不法に伐採する悪い輩は、雲があっても闇夜でもマイクロ波センサーで地上を観測できる日本の衛星「だいち」によって探知されて即座に捕えられるようになっている。アフリカ上空に同様の農業専用の気象衛星が打ち上げられて利用がはじまれば、夜陰に乗じてゾウを密猟する一味をみつけ出して、摘発に威力を発揮するだろう。

日本は急ぎ、アフリカ戦略を打ち出して、改めてアフリカでの熱帯サバンナ開発を始めるときがきている。第1号のモザンビークでの計画がこじれていて再開が難しいのであれば、ほかの希望する国で始めればいい。それも複数の国の、複数の土地で、同時に着工して競争させながら進めるのがいいかもしれない。ブラジルで大成功をおさめたこの方法は「ビッグプッシュ」と呼ばれる。

わたくしは自爆戦士と難民たちが早く故郷に帰れるようになることを祈ってこの原稿を書いている。それにこのプロジェクトは爆発的に増え続ける世界人口と食糧問題の解決にも役立つはずだ。
1987年に50億人といわれた人口は、2011年には70億人に達して、現在73億人。国連人口白書は2050年を過ぎるころには100億人に達すると予測している。
これほどの人口を養える食糧を新たに生産できるのはアフリカのほかにはない。ケニア1国だけで日本の水田面積をすべて合わせたくらいの稲作に適した土地がある。これらの土地はゾウなど野生動物たちの聖地である国立公園とは重複しないのである。

これまで放置されていた原野を、ブラジルで培った技術で開墾し、耕作に適した田畑にすればアフリカは世界の人々を救う穀倉地帯になる。
日本人は大村智教授のオンコセルカの特効薬でノーベル医学・生理学賞を受賞した。大阪大学微生物病研究所の堀井敏宏教授が発見したマラリアワクチンももうすぐ実用段階にはいる。
人類社会は科学技術の発展とともに進化し、成長してきた。どこにも負けない農業の技術を持つ日本人は、こんどは幾多の障害、妨害を乗り越えて必ずや、緑の革命を実現してアフリカ市民を豊かにすることだろう。

それはわたくしたちの決意にかかっている。

                     続く連載をご期待ください。
作成:Sanshiro 2016.01.04

貧困の大陸を緑の沃野に変える夢

この春から新潟県でインターネットを使った稲作の管理実験が始まっている。
新潟市とNTTドコモ、それと新潟のベンチャー企業ベジタリア、ウォーターセルによる共同プロジェクトだ。

もはやサンちゃん農業も限界を超えて、稲作農家の集約がじりじり進んでいる。農家の田んぼも大きくなるとともに、あちこちに飛び飛びに広がって管理だけでも疲労困憊だから、これをネット管理して、効率よくできないものかという試みである。

これがうまく運んでおいしいコシヒカリが収穫できれば、タブレットとにらめっこしながら米作りをするお百姓さんの姿がみられるようになる。

遅ればせながら農業の分野にもインターネットの利用が浸透してきたことの表れだが、じつに素晴らしいと思う。このノウハウは時空を超えるインターネットで地球上、どこでも使うことができる。なにも新潟で、新潟の農家が恩恵を受けるだけでなく、東京にいながら世界中、どこの国の水田でも管理ができることになる。

タイトルに掲げたように、アフリカでコシヒカリの稲作を大々的に行うことも夢ではなくなる。

こんなことを考えたのは、先週、JICA(国際協力機構)で大塚啓二郎教授(政策研究大学院大学)とドナルド・ラーソン氏(世界銀行)によるセミナーを聞いたからだ。大塚教授によれば、アジアではアジア諸国とインドで1960年から収穫の多い種類の種もみを提供するとともに農耕法を改善することで、収量を数倍に増やす緑の革命が成功した。

ところがアフリカのサハラ砂漠以南の国々では、いまだに昔ながらの農業がおこなわれていて、米もメイズ(トーモロコシ)にしても生産性がほとんど上がっていない。いまこそアフリカに緑の革命を起こすべきで、それは取組次第で可能であるというお話だった。

大塚教授は、かつて国際稲作研究所(在フィリピン)の理事長を務めたこともある実務家でもあり、近年は「サブサハラアフリカにおける米生産拡大の実証分析」の研究プロジェクトチームを率いて調査を進めていた。その成果を踏まえて、アジアの次にアフリカで緑の革命を起こそうではばいかというのだから傾聴に値する。

とくにわたくしは、拙書「地球改造論」(eブックランド刊)でイスラム過激派に走るのを思い止まらせるためには、人々が将来への夢と希望が持てるようなアフリカにしなければならないと主張しているだけに、とても力付けられる思いだった。

米作りがそう簡単なものではないことは分かっている。灌漑のための水、土壌、肥料、バッタなどの害虫対策など、問題はあるだろう。それでもアフリカ各国をよくみれば手つかずの水資源があり、膨大な土地がある。人件費は世界のどこよりも安い。

軌道に乗せるまでには克服しなければならないことは多々あるにしても、東京のデスクに座りながら、インターネットでアフリカの水田の模様が手に取るように分かるのであれば、進出を考える企業にとっては大きな安心材料だ。日本の農家だって、仲間を募ってアフリカでの稲作のベンチャーに乗り出してもいいと思う。JICAはそうした企業やベンチャーのアフリカ進出の相談に乗っている。

今回のセミナーそのものが東京の会議室とアフリカのJICA事務所3か所をインターネットで結んでLiveで行われた。そんな時代なのである。

「地球改造論」にも書いたことだが、いまやアフリカの安定はアフリカのみならず、中東、欧州、ひいては世界の安全保障にかかわる重要課題である。貧困の大陸アフリカを緑の沃野に変える夢のプロジェクトは、ぜひぜひ実現してほしいと思う。

関心のある方は間もなく11月にSpringer社から出版されるというドナルド・ラーソン氏と大塚啓二郎教授の共著『In Pursuit of an African Green Revolution』を買い求めてはどうだろうか。

2015年11月11日、このブログのコンセプトは「KKグリーンアフリカ・プロジェクト」としてeブックランドの社会貢献事業として実現を目指すことになりました。
作成:Sanshiro 2015.11.19

オルセー美術館の特別展にフランス人も仰天

パリ在住のガイドで、わたくしの大学の先輩である菅佳夫さんから興味しんしんなニュースが届いた。「売春」をテーマにした展示会が、初日から入場制限が行われるほど評判で、連日、長蛇の列が続いているというのだ。
菅先輩がほぼ毎月発行している「フランス通信」の最新号(120号 10月7日付)から、お許しを得て以下に転載する。

・・・・・・・
*「栄華と悲惨・フランスに於ける売春の姿(1850-1910)」展 ( Expo. « SPLENDEURS et MISERES – IMAGES DE LA PROSTITUTION(1850-1910) » )
思い切ったテーマであり、“売春”をテーマに開かれた展覧会は未だ嘗てなく、賛否両論、色々と意見もあったようですが、19世紀半ばから20世紀初頭のパリ、モンマルトルを中心として派手で賑やかな街を彩った女性達、ガス燈(les becs de gaz)が灯る下町の夜、夜遊び人達、香水、煙草、酒の香り、踊り子、街の女の肉体の輝き、、、が一つの時代を為していたことは事実。
カフェで、キャバレーで、売春宿で,遊び、過ごしてその“栄華と悲惨”を感じ、その姿を描いて後世に伝えた芸術家達、バレリーナを描いたドガから「女性は最も美しい景色」(La femme est le plus beau paysage)と表現したヴァン・ドンゲン迄、、、、パリを物語るには欠かせない文化との解釈から、あえて「売春」のテーマでの展示に踏み切った、と説明されています。
ドガの「スター」(‘Ballet-L’Etoile’(1878)-Edgar Degas) 、アンリ・ジェルヴェスの「ローラ」(‘Rolla’(1878)-Henri Gervex)、ロートレックの「2人の女友達」(‘Les Deux Amies’(1892)-Toulouse-Lautrec)、ピカソの「アブサントを飲む女」(‘La Buveuse d’absinthe’(1901)-Pablo Picasso)、アンドレ・ドランの「下着姿の女」(‘La Femme en chemise(1906)’-André Derain)、ヴァン・ドンゲンの「紫色の靴下どめ」(‘La Jarretière violette’ (1910)-Kees Van Dongen)、、、、ロートレックは「娼婦達の間に居る時ほど人間らしい安らぎを覚えることはない、、、」と云ったとか、、、、下心あって酒をおごる男、酩酊した中年男と連れの女、客引きで捕まり憂鬱な表情の女、、、快楽の夜が始まろうとしている雰囲気、、、猥雑なざわめき、、が伝わってくる作品100点余りを展示しています。
こうして例えば有名なドガの「アブサント」(‘L’Absinthe’(1876))を前に、普段は大家の傑作として鑑賞するに止まるものが、今回の展覧会のテーマの見地から改めて眺めると、同じ作品でも違った雰囲気に見えるという興味深さから、初日より入場制限を行なう程の人気を呼んでいます。会場には“18才未満お断り”の厚く仕切られたコーナーもあり、当時の街角で売られていた春画や怪しげな写真の展示、短編のポルノ映画の放映も行なわれています。
オルセー美術館にて来年の1月17日迄開催中。月曜日を除く毎日09時30-18時00、入場料11ユーロです。(Musée d’Orsay (1,rue de la Légion-d’Honneur,Paris 7e)
・・・・・・・

フランスの首都パリはファッションと社会現象で新しい時代のトレンドをリードする。
部族主義と封建制の象徴としてルイ16世と王妃マリー・アントワネットを1789年の革命でギロチンにかけたこの国の女性は、どこよりも早く古い社会の忍従の掟から逃れて、人間としての権利と自由を謳歌してきた。

外国ではイプセンが戯曲「人形の家」で新しい時代の価値観に生きる女性ノラを書いて世界を驚かせたのは、フランス革命から90年後の1879年のことだが、フランスではとうの昔に自立した自由な女性はその行動をしばられることはないとされ、売春という言葉さえ罪の響きをもって語られることはないといってよい。

それが21世紀のいま、オルセー美術館が正面切って「売春」をテーマに特別展示会を始めたのだからフランス人も仰天らしい。これはなにか男と女のありように変化が生まれる予兆なのかどうか。

わたくしはこの展示企画には、大英博物館が2013年から2014年にかけて行った日本の春画展の大成功にたいするフランスのやっかみと対抗心が潜んでいるように思われてならない。イギリスに対してのみならず日本の春画の超絶技法にたいする絵画芸術の大国を自認するフランスの対抗心、いや敵愾心である。なにしろ無料展示の大英博物館としては異例の有料にもかかわらず9万人がつめかけ、欧州での巡回展を合わせると入場者は13万人に達したのだ。

日本でも欧州で成功した春画展が9月から細川家の永青文庫で始まっており、週刊文春(10月8日号)が春画ブームを特集して、葛飾北斎らのグラビアを3枚掲載したことで編集長が配慮に欠けるところがあったと3ヶ月間の休職処分にされたことが話題になっている。

オルセー美術館の特別展は来年1月の17日までと長いようだから、関心のある方は飛んでいってみてはどうだろうか。
パリのことならなんでも知っている超ベテランガイド、菅佳夫さんに案内してもらいたい方はeブックランドにファックス(03-3333-1384)してください。都合を聞いてさしあげます。
作成:Sanshiro 2015.10.11 更新:2015.10.13

ものづくりの国日本は崖っぷち

インドネシアでの日本の新幹線建設計画が中国の高速鉄道に敗れた。ものづくりの国として未来を描いている日本にとっては暗雲である。

日本が建設ルートの詳細な事前調査を行い、親日的なインドネシアの国民感情からも新幹線の受注は間違いなしと踏んでいたのだが、土壇場で中国案にさらわれた。ここに東南アジアのみならずアフリカなど世界中でインフラ整備に圧倒的な影響力を発揮し始めた中国の恐ろしさがある。

これについては毎日新聞が9月30日付朝刊の1面トップで報じるなど様々に伝えられている。毎日新聞は2面でもその影響をよく分析しているが、中国バッシングを任務と心得ているらしい右寄りの新聞は政府に不都合なことを書かないから国民には問題の深刻さが正しく伝わらない。

日本の新幹線輸出は、インドネシアのみならずアメリカのロサンゼルスーラスベガス路線でもアメリカと中国が組んだコンソーシアムに敗れた。9月中旬、習近平主席の訪米の直前に発表された「デザート・エクスプレス」(砂漠特急)の初期投資は1億ドル、総額127億ドルに上ると北京発で発表されている。

金額もさることながら、世界最大のカジノ都市ラスベガスを結ぶルートは高速鉄道の世界最大のショールームでもある。それを中国に奪われてしまったのだ。大地震が起きるアメリカ西部の新幹線は、日本の耐震技術が備わっていなければ危なくてかなわないと思うのだが、すべては後の祭りである。

なぜ日本案は中国案に敗れたのか。これについてはわたくしが書いたばかりの「地球改造論」(eブックランドの登竜門で無料)の第3章が参考になると思う。

中国は東西冷戦が終わった19990年以降、政治的な空白が生まれたアフリカに資源獲得戦略を兼ねて大々的に進出した。外貨準備までをやりくりして、アフリカ諸国のインフラ事業を、お金がなければほとんどタダ同然でも請け負って建設するノウハウを築いている。安かろう、悪かろうでも、外貨もなにもない国にとってはありがたいことである。中国はこれを途上国同士ならではの南南協力だとして西側の金融システムからのルール違反だというクレームには耳を貸さない。

習近平主席の中国は、アフリカで培ったこうしたノウハウに自信を深めて、アジアからアフリカをも視野に入れた「一帯一路構想」という陸のシルクロードと海のシルクロードの構築に動き出した。金融面でこれを具体化するのがアジアインフラ投資銀行(AIIB)である。アフリカで成功したお金のない国でのビジネスの進め方のノウハウがあるから、インドネシア政府攻略など赤子の手をひねるくらいに造作もないことだ。

安倍政権の成長戦略の一つとしていた「インフラシステム輸出戦略」の一角はあえなく崩れてしまった。新幹線事業のすそ野は広く、大きいので日本経済そのものに影を落とすこと必至である。

「地球改造論」を書くために調べを進めていったら、アフリカに大きな影を落とし始めた中国の姿が見えてきた。中国人のコミュニティもあちこちに生まれている。それが象牙を買いあさるために価格が暴騰してアフリカゾウの密漁がその絶滅が危惧されるまでに激しく行われるに至っている。

中国政府が鉄道のようなインフラ整備で日本の新幹線の海外進出を断固、阻止、粉砕する決意でいることは想像に難くない。このような赤い中国株式会社と渡り合うにはどうしたらいいのか。

拙書「地球改造論」の第5章で知恵をしぼってはみたが、みなさんにもぜひ、本気で考えてほしいと思う。
もはや日本の新幹線の海外輸出はかなわないのか。打開策は失敗した原因を、とことん調べ、分析して探り、しかるべき対応策を練るところからしか生まれない。わたくしは日本は官民ともにまだまだ知恵を出しておらず、努力も足りないと思っている。
作成:Sanshiro 2015.10.01 更新:2015.10.01

中東アフリカ改造30年計画

ブログの更新を忘れていたわけではない。前回に書いた地球改造論が、やはりどうしても必要なことが分かって、このタイトルで本をまとめていたのである。

ほぼ完成したのでブログを読んでくださっている方のために、どのような内容の本なのか、目次とまえがき、おわりに を収録して、あらかじめお知らせします。間もなくeブックランドで期間限定無料で電子出版します。

地球改造論 
日本の新幹線よ 中東アフリカを走れ!

目次
ものづくりの国日本の好機
第一章 幻のイラン新幹線建設計画
日本初の新幹線の海外輸出計画のすべて
第二章 イラン封じ込め政策の大転換
バグダッドがイランの首都になった日! 
第三章 アフリカゾウの悲鳴が聞こえる
サンゴの次は象牙 中国のアフリカ爆買いの果て
第四章 イスラム難民が殺到するヨーロッパ
日本は禍の根源を叩く戦略で貢献する
第五章 中東アフリカ改造30年計画
文明の危機を救う日本の使命
おわりに 
アフリカゾウが教えてくれた緊急事態

地球改造論
はじめに 
ものづくりの国日本に好機

 日本がものづくりで世界に貢献する時代が再び到来したようにみえる。
 インターネットがグローバルに行き渡ったいま、再び商品のクオリティに人々の目が向いている。そして世界を見渡せば、先端をゆく有用なすばらしい商品は太平洋の東岸の国、日本に集中している。

 見かけだけではない堅実なしっかりしたリアルな製品が不思議なほど日本という国にあふれている。世界中に売れる国際商品である自動車を製造する会社が、世界最大級のトヨタのほかに六社も七社もある。車一台は数万もの部品で組み立てられるが、それらの信頼できる部品を製造する工場が津々浦々にひしめいている。こんな国は世界のどこにもありはしない。
だが、この本のタイトルに掲げた地球改造は自動車ではできない。筆者がここにきて注目し、期待しているのは新幹線のことである。
新幹線の車両とか技術のことだけをいっているのではない。日本の新幹線というものが持つその可能性、ポテンシャルである。東京オリンピックの一九六四年に開業してから半世紀、五十五億人を運んで無事故という奇跡の記録を打ち立てた。空前にして絶後の快挙である。
このような産業はそれ自体が、大きな政治的パワーをはらむ。このパワーの凄さに日本人はまだ十分には気が付いていないようにみえる。

新幹線には開業して間もなく海外から引き合いがあった。イランからである。当時のパーレビ王政が、首都テヘランとマシャッドの間一〇〇〇キロに新幹線を敷設してほしいとをもちかけてきた。日本が営業を始めた東京―新大阪間五一五キロのほぼ倍の距離を結ぼうとする大工事だ。当時のパーレビ政権にはあり余るオイルマネーがあり、ぽんと十億円の着手金を払い、一九七八年にはマスタープランまでが完成して着工するばかりだった。
まさにその年、イランではシーア派イスラムによる反政府デモが激化する。翌七九年一月にパーレビ国王が出国。二月にはアヤトラ・ホメイニ師が亡命先から凱旋してパーレビ王政はあっけなく崩壊してしまった。
そして日本にとって初の新幹線輸出計画は、ペルシャ湾岸に建設中だった石油コンビナート(IJPC)もろとも夢と消えた。

あれから三十余年、またも大きな転機が訪れている。革命イランをあれほど敵視していたアメリカとヨーロッパ諸国がイランとの核協議で最終合意して、イランの国際社会への復帰の道が開けた。革命イランよりもっと過激なIS(イスラム国)を封じ込めるためにイランの力が必要になったという戦略的な判断があるとみられる。
危険な賭けだが、賽(サイ)は投げられた。
これに伴いイランへの経済制裁は徐々に解除されようとしている。二〇一五年八月には早速、日本の技術でイランの油田を開発しようというビジネスの話が始まった。

しかしアメリカの経済制裁に協調して、日本がイランから遠ざかっていた年月はあまりにも長かったのかもしれない。例の新幹線建設計画については再浮上したという話を聞かない。
かつて日本が新幹線を輸出しようとしていたテヘランーマシャッド間のルートにはドイツ企業がリニアモーターカー建設の調査に入っているだけでなく、中国も食指を伸ばしている。
中国は主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)のプロジェクトの第一号として、北京からバグダッドまでの鉄道建設を打ち出している。当然のことながらイラン国内のルートは昔の日本の新幹線計画と重なるものとみられる。イランはAIIB参加五十数か国の創設メンバーである。
ものづくりでは世界一なのだが、日本は窮地に追い込まれている。うかうかしていると世界中の大きなインフラプロジェクトはAIIBの中国に総なめにされてしまいかねない情勢だ。中国だけでなくヨーロッパ勢も容赦なく、国際競争は熾烈でほとんど絶体絶命に近い。

クオリティで勝る日本の製造業界にはわずかにチャンスは残されている。しかしながら背水の陣を敷いて臨まなければ挽回は難しいだろう。
このお寒い現実を直視して遅れを取り戻せるのかどうか。獅子の前髪をつかむくらいの強い意志とスピード、実現のために必要な内外のサポート体制の整備を急ぐ必要がある。

日本は新幹線と社会インフラ関連を中東やアフリカに輸出して経済発展に寄与する道を選択するときではないか。そのほうが歓迎され、喜ばれ、実績にもなってチャンスが広がる。
中東アフリカの混乱は、戦乱を逃れて難民の群れがEUに押し寄せるようになり、危機はヨーロッパにまで波及し始めた。
いまこそ日本は平和の回復のために持てるパワーを全開して貢献したいものである。
平和の国日本には戦場より市場が似合う。

                        横山三四郎

地球改造論
おわりに 
アフリカゾウが教えてくれた緊急事態

 夢物語である。しかし夢のままで終わってはほしくない。目を通してくださった読者は分かってくださると思うが一章から四章まではリアルなノンフィクションであり、いままさに起きている出来事なのである。
 筆者に最初に異変に気付かせてくれたのはアフリカゾウだった。ケニアの隣国タンザニアで過去五年間に六万頭ものゾウが密猟で減ってしまったという短いニュースが二〇一五年の初夏に流れた。さらに専門家が「これから十年から三十年で絶滅するかもしれない」と真顔でいうので本格的に調べ始めた。
 そして本業をそっちのけに三か月足らずで書き上げたものだが、中東、アフリカ、ヨーロッパはもともと筆者のジャーナリストとしてのフィールドでまったく目を配っていなかったわけではない。アフガニスタン、イランに足を踏み入れたのは一九七八年だから、かれこれ四十年近い経験がある。それをベースに短期間でまとめることができた。

 出版を念頭に書き始めたら、イランと欧米諸国の核協議が最終合意になったことが発表(七月十四日)になり、夏場には中東、アフリカからのイスラム難民が大挙してEU諸国に流れ込みはじめた。
 こうした出来事はすべてからみあっている。そして急速に悪化している。
緊急事態なので二〇一五年九月初旬で校了して電子出版することにした。これから以降の変化については読者の皆さんにご自身でフォローしていただきたい。

 この本で申し上げたいことは、大きく分けて三つある。
1、イランの国際社会への復帰で、日本に新幹線の輸出など大きなビジネスチャンスが生まれる。
2、日本の中東アフリカ地域への関与は、軍事ではなく経済と文化の面から行うのが望ましい。
3、日本は中東アフリカの平和回復のために、この地域の人々が豊かに繁栄できるような中長期的な構想のもとに貢献したい。

 中東アフリカ地域については長い間、ヨーロッパの主要国とアメリカが関与して日本はなかなか入り込めなかった。三章で詳しく書いたようにアフリカには近年、中国が食い込んでいるが象牙問題でミソをつけている。

いよいよここは日本の出番である。
実際、日本にしかできないのではないか。そんな気持ちが高まって、この本を書きだした。
日本が新幹線を先兵に中東とアフリカの再興に乗り出すならば、荒れ果てたこの地域の人々が再び未来に夢と希望を見て、平和を取り戻してくれるのではないだろうか。そうあってほしい。
中東アフリカへの新幹線の輸出は、単に新幹線を輸出してそれで済むというプロジェクトではない。大量輸送のシステムと同時に人々がそれによって繁栄し、豊かになるという展望が開けるようなものでなければならない。日本の鉄道マンたちの使命は中東、さらにはアフリカ諸国に日本のものづくり心を伝えて、人々に豊かになってもらうことにある。
そのためには新幹線に付随する鉄道のマネジメントの技術やスキルの地元への移転はもちろん、ターミナルの都市の建設など社会インフラの整備も同時進行で進められる、大規模な灌漑による緑の農地、耕作地の創造もいい考えだろう。それを実際にみて初めて、人々は過激派に惑わされることなく将来が展望できるようになり、落ち着いて安定した暮らしを営み始めるに違いない。これが最大の眼目である。

中東やアフリカは遠すぎる、国際政治の話はどうもよく分からないという方、あるいはイスラム教とかイラン革命についてもっと詳しく知りたいという方は、拙書「ペルシャ湾」(新潮選書、初版1989年刊)とセットで読んでいただければと思う。筆者が目撃したイラン革命の内幕を書いたもので、十刷りまでいった。いまではアマゾンで安く中古本が売られている。
日本の最初の新幹線輸出をぶち壊しにしたイラン革命の取材では、このような宗教革命が広がる将来を考えて背筋の寒くなる思いにかられたものだった。不幸にも的中して、あのときに予測したおぞましい光景がいままさに繰り広げられている。
宗教を信じるならばなんでもしていいと考えるような人々と同じ土俵に立つことはない。人は自由である。信教も自由だ。しかしそれは社会のルールの範囲内のことだ。これは国際社会でも同じことである。

この本で試みに掲げた中東アフリカ改造三十年計画が果たして成功するかどうか。狭くて険しい道である。しかし可能性がまったくないわけではないのである。たとえ不可能に近くても高く掲げて前に進んで、その衝撃波で恐るべき悲劇の連鎖を断ち切らなければならないと思う。
いま、中東とアフリカで起きていることは世界で最大の悪しき出来事である。
イラン革命以降の流れをなんとしても変えて、かけがいのない文明を守りたいものである。

一人でも多くの読者にこの意図が伝わって、平和建設という崇高な使命について考える人が増え、計画が軌道に乗ればうれしいことだ。その結果、日本に地球改造ブームが起きて賑わうならば、それ以上の喜びはない。
                           ご期待ください。
作成:Sanshiro 2015.09.08 更新:2015.09.08

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