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ウグイスのような声がしゃがれ声になって

 「長かったようで短くもあり、短かったようで長かったような」(小池ゆりこ候補)選挙戦もついに最後の日を迎えた。

 公式ホームページを開くと、お昼過ぎに近くの吉祥寺駅前で街頭演説をするというので出かけた。
少し前に着いたら、もう街宣車は来ていて人垣ができている。どんな雰囲気なんだろう、どんな人々が来ているのかなと人込みをかき分けていたら、ばったり小池候補本人と会った。演説まで時間があるので支持者と握手をして回っていたらしい。
思わず握手してもらわねばと手を差し出したら、握り返してくれた。暖かい。気温も高いとはいえそれ以上に暖かい感触だ。沢山の人と握手をしていたせいなのだろうか。

街宣車に上ってマイクをにぎると、「ウグイスのような声が、こんな声になってしまいました」と自分でも語ったが、確かに2週間前に池袋で聞いた声とは相当に変わって太い声になっている。
それでも最初、のどをいたわるように話していた演説は、次第にテンポが上がって、「バスを連ねて動員している候補者もいます。そういうのは徴兵、みなさんは志願して集まってきてくださったのですから、大違い」と、太くなった声が熱を帯びて、聴衆からの拍手が次第に大きくなる。
「わたくしがキャスターをしていたころはロンドン、ニューヨーク、そして東京でした。東京をまた世界の三大都市のひとつにしましょう」と様々な話題をちりばめて、25分ほどもよどみなく演説して聴衆の気をそらさない。太い声が迫力を増して、一段と演説が上手になったようだ。

最初はたった一人、組織もなく出馬した小池候補だったが、急速に支持者を増やした。運動員たちが「これまで経験したことがない」と驚くほど、街ゆく人々の支援の声があったという。自民党本部とのいざこざが芯の強い女性のイメージを生んで、追い風を吹かせる結果になったと思われる。

しかしそれだけではない。小池陣営はひそかにインターネット戦略を導入して次第に強めていった様子がホームページなどからうかがわれる。
Facebookやツイッターなど多様なSNSを駆使して発信して、支持を高めていった。秋葉原や銀座など大きな演説の場には、組織もないのに数千人を集めて対抗する陣営を驚かせ、与党や野党が応援する候補らの危機感を抱かせて、一層の動員をかけることにつながった。

バスをチャーターしての大動員の情報を聞いた小池陣営は、与党支援の候補の追い上げを警戒しているように感じられた。小池候補自ら、最終日には都民の投票をお願いする言葉使いがみられた。
しかし終盤のメディアの世論調査では、小池候補が女性票を固め、浮動票でも優勢なことから先行してのリードはさらに開くことになる。
期日前の投票は史上最多、有権者のほとんど1割以上にも達したが、それらも中身は圧倒的に小池候補の支持思われる。

小池候補の遊説のフィナーレは本拠地の池袋西口の広場。埋め尽くした支持者の上空をサーチライトを付けて飛ぶメディアのヘリコプターが轟音を立てて何機も舞った。さながら空からの前祝いの舞いである。

きれいなユニホームのままで勝つ野球チームはないという。
しゃがれ声になるまで演説し、小池候補は戦い抜いた。都民は「東京大改革」を選択した。
つづく
作成:Sanshiro 2016.07.30 更新:2016.07.31

「都道州制 もっとドラマチックに政治をしようぜ」の出版の準備が着々進んで 最後の「おわりに」もできたので一足 お先にお知らせします。

おわりに 古い日本との総力戦のバトルが幕を開けた

わたくしには商いをしている電子出版社eブックランドの社長のほかにもいくつかの肩書がある。この本に関しては少し硬いが、ヨーロッパの国家統合やマクロ金融のような分野にも言及しているので国際政治学者として出すことにした。
電子出版社が大部数の紙本の出版にまで広がって忙しくなってきたので、国際政治の方は横目で眺めるくらいにしていたのだが、五月の伊勢志摩サミットからは商売そっちのけで日本の財務問題と国際社会の動向に真正面から取り組むことになった。
ギリギリの運営を強いられている日本の財政問題が、いよいよ重大な局面を迎えたからである。

東京都知事選も大詰めを迎えた2016年7月の末、日本銀行の金融政策決定会合が行われた日、東京市場の株価は500円も乱高下した。円は景気刺激策が投資信託(ETF)の増額だけにとどまることが発表されると、海外のファンドからの買い注文が殺到して1ドル102円台まで一気に急騰した。いまや日本の財政状態は世界注視の的なのである。
本文でも書いたことだが、政府の異次元の金融緩和策は一転、異次元の危機的状況を迎えている。晴れ舞台になるはずだったG7の場が、日本にとっては暗転の場になってしまった。
マイナス金利という奇策を打ち出さざるを得ないほどの財務省と日銀は、さらなる窮地に追い込まれている。国内のみか、なんらかの海外での事件をきっかけに制御に苦慮する事態がないとはいえない情勢だ。
政府は都合の悪いことは国民に伝えないようにしているし、メディアの半分は国営放送も含めて政府の発表のとおりにしか伝えない。だから多くの国民は知らされていないが、わたくしのような長年、国際政治経済の現場を歩いてきた者にはみえてしまうから注意を喚起しないではいられない。

幸いにして政府中央とはしがらみのない女性が新しい東京都知事になった。小池百合子知事は選挙の公約にも都の行財政改革を掲げて当選しただけに、税金のムダ使いを総点検するとともに、その一環として都政の行革にも踏み込んでいただきたいものだ。
新任の都知事にはやりたいことが目白押しだろうし、なにごとにも手順というものがある。それでも日本の財政はあまりにも危険な状況にある。東京都から日本の再生に乗り出すということを宣言して、日本を取り巻く空気を変えてほしいのである。
東京都に呼応して、道府県の候補の各県が都道州制に向けて動き出すことも大切だと思う。その動きがはっきりと見えてくれば、赤字国債を刷るしか能のなかった日本がいよいよ本気で再生に取り組み始めたことが世界に知られるようになる。そして、ハゲタカファンドのトレーダーたちは円高で日本経済を困らせるのはやめて、日本に投資して儲けようではないかと考えを変え始めるだろう。それが狙いだ。

それにしても都道州制は夢あるビジョンである。
日本の県はそうとうな財政規模があるから、それらがまとまればグローバルにみるとちょっとした国並みだ。東京都はともかく、道州ともなれば新しい首都を建設してもいいだろう。150年ぶりの行政改革なのだから、今後100年続くかもしれないくらいの構想で参加の各県にも便利なところに首都を建設し、道路、」鉄道網も新規に張り巡らすのだ。
県境の過疎に悩むところでは、インドネシアのような国から大量の移民を招いて開発するということもあっていい。日本に移住して、教育を受け、技術を身につけられるとなれば日本に来たい外国人はいくらでもいる。それぞれの道州はそれぞれにあるべき未来のビジョンを描いて、それを具体化すればいいのである。
小池都知事は地方自治体に認められている特区制度を最大限に活用したいと語っている。中央の法律があっても、地方が条例で独自の行政を行うことができる特区制度は、小さな県では思い切ったことができなかった。それが九州、四国州、東北州などの大きなブロックになれば、それだけ大規模なプロジェクトを独自の裁量で進めることができるようになる。

そうはいっても人さまざま、ヨーロッパでの国家統合でもあったように住み慣れた県のような行政の区割りが変わるとなれば、半分くらいは反対の声を上げるに違いない。そうした国民には日本の年金基金が2015年度に株に投資して5兆3000億円の損失を計上したこと、4―6月期にも5兆円の損失を出したとみられること(東京新聞)などを教えて、国難が身近に迫っていることをもっと知っていただかねばなるまい。
道州制は過去に何度も議論されながら消えたのは、これが節税効果などメリットはあるものの政治家や役人のリストラにもなるというあたりにも理由がある。いくら国難といっても、これらの地元の有力者が警戒を強めて反対に回るならば、逆風さえ吹きかねない。

しかし問われているのは、ここまで税金を食いつぶしてきた政治家や役人の問題ではない。私たち国民の日本が破産するか、しないかにかかわるもっともっと重大な事である。
改革反対の大合唱を跳ね返して、つぶされないうちに都道州制を軌道に乗せるには、小池東京都知事の誕生の勢いを政治勢力にしてしまうという金メダル級の秘技、秘術が必要かもしれない。

例えば、小池新知事を党首に「新党東京」という名の政党を立ち上げるというアイデアはどうだろうか。それは東京都の場合で、北海道ならば「新党北海道」、東北州は「新党東北」・・・とする。
このように日本列島のいたるところで小池都知事の掲げるコンセプトに賛同する「新党○○」の議員を地方自治体に沢山、立候補させて当選させるのだ。「新党○○」の議員があらゆる選挙に一挙に進出すれば、古色蒼然とした日本の政治地図が塗り替わり始める。

古い日本との総力戦のバトルが火ぶたを切ったのである。
「もっとドラマチックに政治をやろうぜ」の季節がいよいよやって来た。

                           横山三四郎
作成:Sanshiro 2016.07.29 更新:2016.07.30

都知事選の場外観戦記を出版することになり、序文を書いたので番外編として掲載します。

都道州制 もっとドラマチックに政治をしようぜ
はじめに 日本初の女性東京都知事に捧げる

 二〇一六年七月の東京都知事選は結構、楽しく観戦させていただいた。そこで連載した観戦記をまとめて出版しようとしたところ、タイトルは「都道州制」とすんなり決まったが、サブタイトルになかなかしっくりするものが浮かばない。
 締め切りぎりぎりになって「もっとドラマチックに政治をやろうぜ」というのがアップした。
これはいける!
今回の都知事選ではまさしくドラマチックな選挙の戦い方をみせてもらった。しかもこれは次なる劇的な展開の序章にすぎない。わたくしたちはこれからも引き続きドラマにお付き合いしなければならないだろう。それはこれまで以上にドラマチックなものになるはずだ。

 今回の選挙は、「絶壁から飛び降りる覚悟で・・・」と出馬を宣言した小池百合子議員によってトーンが決まってしまった。寝耳に水の自民党東京都連はそんな身勝手は許さないといきまいたが後の祭り、馬場に出て行った牝馬はどんどん遠くへ逃げて行ってしまう。あわてふためく自民党とあざ笑うかのような牝馬の出走前の捕り物劇が面白くて茶の間の話題になり、後出しじゃんけんが有利とされる都知事選は小池候補の先行逃げ切りの圧勝に終わった。
 このシナリオも小池候補は織り込み済みであったと思われる。アベノミクスの自民党中枢とは政治色の異なる小池候補は党内で冷遇されており、東京都知事選に手を挙げたところで党推薦が得られるなどとは毛頭思っていなかったに違いない。
 
ただ地方自治体の政治は議会と折り合いがつかなければ、首長だけががんばっても動かない。東京都議会は自民党と公明党が優勢で、その与党を敵に回した小池新知事には試練が待っている。当選と同時に知事室と議会の激しい攻防が始まる宿命にある。
これからドラマの第二幕が開かれるというのはこのためだが、小池新知事はそれも見通しており、選挙戦のうちから都議会を解散して都民の都庁にするのだと公言してはばからなかった。
初の女性東京都知事はそんな小さな政争など眼中になく、その先の先、世界に増えてきた女性の大統領、首相らと肩を並べて語らう光景をみていることだろう。

わたくしはといえば、今年の五月の伊勢志摩サミットからのわずか三か月の間に電撃に打たれるような発見をして、このような本を書くことになった。それは一〇〇〇兆円を超える累積赤字を抱えて動きが取れなくなった日本の財政難が、三十年前の一九八五年、ヨーロッパが構想して実現した単一市場と単一通貨ユーロに起因することに思い至ったことである。
ヨーロッパの国家統合は構想からほとんど四半世紀をかけて進められた。この間、大きな経済変動や紛争などがあり、わたくしも雑用にかまけてEUのその後の実績に向き合うことを忘れていた。しかしいまや単一通貨ユーロはドルと並ぶ国際通貨に成長し、英国の離脱など歯牙にもかけないほどの力をつけた。
今回、日本の財務問題の深刻さをみるにみかねて、都道州制の参考にしようと昔書いたヨーロッパ統合についての自分の本を開いて、「当時の西ヨーロッパ諸国は日本商品の輸出攻勢に苦しんだ末に、国と使い慣れた通貨を捨てて隣国と共に生きることを決断した」ことを思い出した。
当時はとくに思い入れもなく淡々と書いた文章だったが、いま財政破綻しかねないほど追い込まれた日本の苦境のなかで読み直してみると、統合を選択しなければならないほど追い込まれたヨーロッパ各国の人々の無念の想いがひしひしと迫ってくる。そのいくつかは本文に収録する。

EUの中興の祖ジャック・ドロールが「ヨーロッパはアメリカ人や日本人観光客のための博物館になるのか、それとも再生するのか」と檄を飛ばしたときの心情。フランスの故ミッテラン大統領が賛否が拮抗する国民投票の直前にテレビ演説で「これが実現しなければ、われわれは日本に勝つことはできないのだ!」と絶叫したのは誇張でもなんでもなく本音だったのだ。
それから三十年余、EUはアメリカと並ぶ強力な政治勢力になりつつある。赤字国債を刷りまくっての景気刺激策を続けた末に身動きがとれなくなった日本に対しては自助努力を勧告して冷たく突き放すばかりだ。彼我の立場はまったく逆転してしまった。
これが国際政治経済のドラマ、本当の政治というものなのだろう。これに対して財源もないのに赤字国債を刷ればいいのさと巨額の補正予算を組み、少しばかりのヘリコプターマネーを困窮者に配って「どうだ。ありがたいか」とにんまり顔のどこまでの野放図な政治家が横行する日本は末法の世、もはや救えないのだろうか。

たった一人でアベノミクスの自民党に風穴を開けた小池東京都知事はもう一人ではない。果敢な政治スタイルに魅了された都民がこれだけ投票した。都民だけでなく、初の女性都知事に続こうとひそかに決意を固める人が日本中で増えていることだろう。
 この本で紹介した都道州制には光明である。
赤字国債依存症に陥った日本については、世界中がこれからどうするのだろうかと心底、心配している。廃藩置県から150年ぶりとなる都道州制の広域サイバー行革は、その特効薬として熟慮して構想したものである。
税金を使うばかりの一部の政治家やお役人には苦いクスリかもしれない。しかし日本の借金地獄には必ずよく効く。あのヨーロッパでさえ蘇ったのである。これから始まる日本再生のドラマのなかでぜひ試みていただきたいと思っている。
                       
横山三四郎
作成:Sanshiro 2016.07.29 更新:2016.07.30

空き家の保育園は1石5鳥の規制緩和 

 中央にしがらみのない都知事が誕生すれば、東京はあらゆる分野で中央官庁の規制とはかかわりのない経済特区を設けることだろう。これが日本再生の起爆力になる。いや、なるようにしなければならない。

 小池ゆりこ候補が都内の空き家を保育園に活用する提案を行った。これはいいアイデアだーと知り合いの保育士が手をたたいた。
 これは保育園対策の切り札になるかもしれない。

 子どもたちのママが喜ぶばかりではない。空き家対策になり、その持ち主もほっとする。せっかくの公園をつぶしてお金をかけて保育園を建てたりしないでも済む。なによりも若い、給与のそう高くもない保育士たちが住み込みで仕事ができるので大いに助かる。一石五鳥だ。
 
 都内の地方自治体には自宅で子どもを預かる保育ママ制度があって、5人まで預かることができ、補助金も支給される。ただこれには火災などに備えて出口が2か所なければならないなど保育園並みの条件がある。そんな家が沢山あるわけもない。マンションならなおさらだ。
 これにはそういう法律があるためのようだが、社会の変化に沿って柔軟に運用されるべきではないだろうか。

 似たようなことであ然としたことがある。
 外国人観光客の急増にともなって民泊が話題になり、大田区が独自に特区を設けて一般家庭などが観光客を泊められるようにするというので話題になった。区の説明会も超満員で、何回かに分けて開催したほどだったが、いざその詳細が固まって登録が始まってみると申請が少ない。
 それもそのはず、民泊とはいっても旅館法が適用され、宿泊客との事前の面談が必要で宿泊は6泊7日以上、特区民泊で出るゴミは「事業系ゴミ」とされて一般のゴミ収集所に出すこともできない。3LDKのマンションでも部屋が空いているからと外国人観光客に泊まってもらうこともできない。
 
 わたくしなどは、外国人観光客が望むなら、一般家庭でもあるがままの家族同様の生活をしていただいて、日本人の暮らしぶりを知ってほしいと思う。家族とも親しく会話して日本をしってほしい。それが「おもてなし」になると考えるのだが、現実はそうではない。
 ホテル業界、旅館業界がわれわれのビジネスへの影響はどうしてくれると族議員に請願陳情して工作を行い、結局は旅館法を適用することになったという。

 日本の法律、その細目はよくできているともいえるが、いまのような変化の激しい社会にはなかなか対応できない。法律を変えたり、変更したりするには国会審議が必要だから何か月どころではない、何年も霞が関にお百度参りしなければならない。これが廃藩置県以来、150年の間に付着したコレステロールのほんの氷山の一角だ。
 あらゆる分野で東京ならではの政策を進めたいと新都知事は考えるだろうが、その一つ一つが国会と霞が関の中央官庁とのバトルになる。知事選での当選は新たなバトルの始まりだ。

 EUの単一市場では「EUの決定は参加国の法律よりも上位にある」と定められている。そのためにEUには裁判所がある。イタリアのデュラムセモリナのスパゲッティやドイツの麦芽とホップで醸造した純粋なビールでなければビールではないというような主張をいちいち聞いていては市場が動かなくなるからである。
 これにならって都道州制では、東京都が空き家で保育園を経営してもよいという特区保育園の詳細を条例にしたら、その東京ルールが東京においては中央官庁や国会が定めた法律よりも優先すると決めることだ。それが政府との余計な摩擦を避ける賢いやり方だと思われる。
 都同州制が日本列島に広がりはじめれば、それぞれが地域と目的に見合った条例を設けることになるが、それも東京ルールのような扱いとする。道州制連絡会議ができれば日本列島を縦断する新しい時代のルールが日本のルールになってゆくことだろう。

 特区をこのように運営すれば、時代遅れになった法律とのいざこざを避けて、スピーディーに機動力のある都政の運営ができるようになるはずだ。
 もちろん中央は文句たらたらだろうが、地方自治と住民にはその権利がある。これらの東京ルールの条例は英語でも公開され、それらの外国語でも申請ができるようにすることは当然である。

グローバルな時代に対応した新しい日本はこうして始まる。
つづく
作成:Sanshiro 2016.07.28 更新:2016.07.30

ハゲタカファンドが従順な外資になる日
 
 これまでの慣例、しきたり、しがらみとは無縁な新しい都知事が誕生の気配濃厚だ。勇気百倍、日本が墜ちた借金地獄から抜け出す方策を考えてみる。

 新しい東京都知事には、まず日本が東京から再生の軌道に乗り出す―と宣言していただかねばならない。
 日本の破たんを指折り数えて待っている欧米諸国とハゲタカファンドのトレーダーどもに、潮目が変わったことを知らせてがっかりさせるのである。
 霞が関の財務相のように「円高には断固、介入を辞さない」という口先介入は百害あって一利なしだ。トレーダーたちは「ここが押し時だ」とますます円高圧力をかけてくる。対ドルの円レードは100円をまたも割り込むのは時間の問題のような神経戦が続いている。

 新都知事の宣言が空(から)鉄砲だったらカラスにだってなめられてしまう。いつ着工になるかわからないような土木工事は魅力がない。
 それよりもインパクトがあるのは東京都での広域サイバー行革に賛同する地方の自治体が、こぞってと道州制を支持して第二の東京都を目指す動きをみせて、日本列島を興奮に包むことだ。
 都道州制準備会議のような組織が立ち上げられて成功裏に開催となりされ、本中に巨大な経済特区がにょきにょきと生まれ、それらが連携して外資を呼び込む好条件を示すことがはっきりしたら、ハゲタカファンドは密使を東京に送り込むだろう。

 小池候補の街宣車には終盤に入って、名古屋の川村たかし市長が上るようになったらしい。東京の減少が地方へと波及し始めたことを示唆するもので、好ましい兆候である。
 参議院の選挙は与党が勝利したとはいえ、東北の各県では軒並み野党の統一候補が勝利した。かつての保守の帝国が様変わりだ。地方には絶望が渦巻いている。
東京で都道州制準備会議が開かれるならば東北各県からのぼりを押し立てて参加する人々で一杯になるのではないだろうか。
 間髪をいれず都道州制準備会議の準備に向けて動き出そう。ファンドの密使はその盛り上がりを凝視することだろう。そして会議が押すな押すなの大盛となり、150年ぶりの広域サイバー行革が必ずやリアルなものに転換することがみれば、密使は「日本人は目が覚めたようです。日本は再びJapan as Number1を目指して動き出しました」と東京発の極秘メールを流して世界を駆け巡るに違いない。
 日本の株式が反転して上昇に転じるのはそこからである。

 先にも書いたが、わたくしたちの敵はまず第一に税金を食い物にする政治家と役人である。
 政治家とお役人が悪いわけではない。大多数はよかれと思って仕事をしているのだが、長い間に制度疲労からコレステロールがたまって行政のコストが高くなりすぎてしまった。配転すれば済むものを新規に雇用したりしているうちに政治家や公務員への支払い給与が日本の税収の総額に近くなってしまった。
 だから政権が自民党から野党に代わっても予算を組むためには赤字国債を発行しなければならない年が続いた。野党は組合の労組を支持基盤にしているのだから給与を下げることなどできはしないのである。

 そして次なる敵がファンドである。アベノミクスの財政が窮地に墜ちいったとみるや、外資が日本から逃げ出し、いよいよハゲタカの本性をみせつつある。
 しかしながらハゲタカファンドには弱点がある。お金の性で、いつもお金に飢えていることだ。お金の善悪は判らない。ただただお金が儲からないことにはいられないのである。
 自由経済の市場から生まれた国際流動性とも呼ばれるファンドは世界中のタックスヘイブンなどに、じつに30兆ドル(3300兆円前後)もたむろしているという。パナマ文書の暴露を契機に語られているそのスケールはわたくしたちのド肝を抜く。もはやその是非を語っている場合ではない。
 これら、ときにはハゲタカ、ときには紳士としての顔をみせるファンドを友人にしないことには経済は回らない。とりわけ日本のように極限までお金を使ってしまった国ではファンドが競って入札を競うくらいの魅力ある経済制度とプロジェクトが目白押しでなければ21世紀はお先真っ暗だ。

いよいよそのための戦略を語るときがきたようだ。
                   つづく
◇ ◇ ◇ ◇
書き終えてテレビをつけたら、ワイドショーでは石原慎太郎が昨日、息子司会の与党推薦候補の応援に顔を出して、小池ゆりこ候補を「厚化粧の年増女」呼ばわり、鳥越候補は「売国奴だ」と罵倒したとかで盛り上がっている。
おいぼれ太陽族は、よいよいになっても下品さだけは相変わらず。もしかして「年増女」は小池候補が豊島区の東京10区選出というのにかけているのかもしれないが、それにしてもこの暴言はいただけない。座布団があるならば取ってしまえ・・・2枚、いや3枚だ。

作成:Sanshiro 2016.07.27 更新:2016.07.30

外資が振り向かないではいられない都道州制 

 週末に新聞、通信社、テレビのメディアが簡易な世論調査を行った。いずれも小池ゆりこ候補のリード、優勢を伝えている。
 やはり女性票が小池候補を強く支持している。3~4割の浮動票がまだ態度を決めかねているというが、浮動票の多くが小池候補に流れるとみられることから、もう先行ぶっちぎりの勝利は間違いない。

 都道州制の広域サイバー行革のようなかつてない大胆な改革は、既成政党から推薦されて出馬したような信念のない人物には扱いきれない。その意味で小池候補のような方が都知事に就任することは望ましいけれども、議会対策というものもある。
明治維新以来、150年ぶりとなる都道州制が新しい都知事にどこまで採用されるかはまったく分からない。

 しかしながらわたくしが今回の都知事選を重視しているのは、5月の伊勢志摩サミットのG7以降、急激に悪化した日本の財政をめぐる環境が、手をこまねいていれば金融恐慌の導火線になりかねないとみているからである。これを回避するには新しい都知事のみならず、多くの方々にこの危機的状況を知ってもらい、改革を受け入れる心の準備をしていただかなければならない。
 都知事選に出馬するとしゃべっただけで、「気違い」「精神科のいい医者を知っているから一緒に行きましょう」と連れ合いにあしらわれてからは流石のわたくしも慎重になっている。
 いくら世のため日本のための考えであっても相手のあることだ。手順を踏んで進めなければなるまい。さもないとせっかくの構想が前に進まないおそれがある。

 そこで都知事選が終わり次第、場外参戦の社長ブログを中心にまとめて紙本として出版することにした。タイトルは「都道州制――新しい東京都知事に捧げる」を考えている。

 さて前日、「スピード、機動力、戦略性」と題したブログでは、戦略性についてまでは説明ができなかったが、この言葉には構想の最も重要な意味を込めている。
 都政のムダ使いをえぐり出しても、また区役所の中抜きをして行政のスピードアップ、簡素化を実現したとしても、それはあたり前のことにすぎない。なぜこれまで歴代の都知事はなにもしてこなかったのかと責任を追及したくなるが、そんなヒマはない。
 状況は切迫している。

 いま日本にとって大事なことは、これ以上、赤字国債を刷り、累積赤字を増やさないでも済む方策を見出したことを世界に示すことである。そしてその構想が日本の再生につながる将来への展望を拓くもので、世界のビジネスマンたちが羽田行きの航空券を予約したくなるものであれば、円高にしようと群がっているハゲタカファンドのトレーダーたちは手を休めることはない。
 それくらいの引力、磁力を秘めた戦略性のある都道州制を示す必要がある。

 ジャック・ドロールが1985年に打ち出したヨーロッパの国家統合計画が生み出したエネルギーはすさまじく、たちまちにして歴史を変えた。単一市場が完成する3年前の1989年21月に、東ヨーロッパの人々はベルリンの壁を東側から突き崩した。

 そんな妙案があるのか、と問われたら、わたくしは「魔法の杖はない」とドロールのように答えるほかはない。
 そしてヨーロッパ単一市場が構想の提示から30年、ついに日本をノックアウトして、借金まみれの国に追い込んでリベンジを果たしたという事実を知ってもらうということしかできない。

 単一通貨ユーロの創出に当たっては、EU本部は加盟したい国にたいして単年度の財政赤字が国内総生産(GDP)の3%、累積赤字についてもGDPの60%以内でなければならないと厳しい条件をつけた。
 流通してからのユーロが信頼される価値ある通貨であり続けるためで、ドイツ政府の意向が反映されての条件といわれる。その後のユーロは順調に力をつけて、いまや世界の金融をドルとともに支配し、円はそのはざまで翻弄されている。

 このような経緯から、EU諸国は赤字国債を積み上げる日本の経済運営に苦虫をかみつぶしていた。伊勢志摩サミットでの欧米の厳しい姿勢はその反映だといえる。

 四面楚歌のこの状況から、日本は果たして脱出できるのかどうか。絶体絶命の断崖絶壁である。
 わたくしはかなり悲観している。なにしろ肝心の国民が事情をよく知らされていない。

 それでは日本の悲劇は避けられないではないか。そのようなことがあってはならないから、明日も都道州制の戦略を練ってみよう。
 唯一の光明は初の女性の東京都知事の誕生である。
                                つづく

作成:Sanshiro 2016.07.26 更新:2016.07.30

スピード、機動力、戦略性 

時間と空間を無にするインターネットを駆使すれば、単一市場を上回る衝撃的なインパクトを世界に与えることができると、内心、考えている。EUの単一市場創出の時代にはまだなかった文明の利器である。

インターネットを行政運営に使う考え方については、日本ではよくは知られていない。
わたくしは「1冊の本が日本を救う」シリーズのブログで書いたように、「通貨消滅 お金はどこへ?」(ナオミ・フラー著 eブックランド刊 星雲社販売)のなかで、フロリダ在住のジャック・フレスコ氏が未来社会には行政もすべてデジタルマネジメントされ、住民の意見がインターネットで集約されて決定されるサイバー政府によって行われる―というくだりに注目して、その活用を考え始めた。
折から熊本地震が起きて、熊本に隣接する鹿児島県の川内原発が心配になったというので、SNSなどで運転停止のアンケートを取ったところ、10日で10万人の署名が集まった。それを原子力規制委員会など関係方面に提出されたというニュースがあり、これからの行政改革にももう使える段階に至っていると知った。わたくしたちはマイナンバーもいただいているので、住民の意向さえまとまれば実現は不可能ではなくなっている。

ジャック・フレスコ氏は日本でこそあまり知られていないが、欧米ではその考え方はグローバルに知られている。なにしろ幼少のころにはアインシュタインとも会談したという天才で、現代のレオナルド・ダ・ヴィンチと呼ばれている大物だ。もう百歳になるが、人工知能によって人間の仕事さえなくなる未来をとうの昔に予測、お金を追及する現代社会は地球を破壊すると警告して、資源基本社会への移行を提唱している。
その提案の一つが、インターネットを利用したサイバー政府によって運営される未来社会だ。この考え方も知られていて、北欧など各地でインターネットを使った直接民主主義の試みが試行錯誤で始まっているようだ。

わたくし自身は日本ではインターネットだけでの直接民主主義は時期尚早だと考えている。ネットでの世論調査もそうだが、設問によって回答をコントロールされることさえある。よくよく事前に運用してみて、これならば大丈夫、使えるというレベルまで精度をあげてからにしたいと思う。
それまではインターネットによる有権者の都政参加といっても、住民の考え方の事前調査や決議にあたっての参考にとどめることになる。ネットの活用が向いている分野とか逆にこんがらかってしまう分野といったことも次第に明らかになって、本格的な活用が始まることだろう。最初は決議の補助的な訳ありから、そして段々と重要な決定に利用されて行くことになる。
ただ都道州制で県の何倍にも行政地域が広くなるわけだから、住民には政治が遠くなりさびしく思われてくるであろうことは考えられる。こうした政治的な疎外感をなくして、有権者として政治に関与していることが実感できるような日常を作り出すには、インターネットによる直接参加は役立つ。そのためにふさわしい広報のシステムと投票したり問い合わせたりする機能も整備しなければならない。

インターネットにたいするリテラシーのこともある。これだけスマホとタブレットが普及したとはいえ、触ったことも使ったこともないという人はまだまだいる。「私たちにはせわしない暮らしは性に合わないのです」と、いくら便利でも拒絶反応をみせるこれらの人々のために、昔ながらの区報を編集し、印刷して配布することは、人的にも資材のコストの面からも二重に税金を使うことになるので避けたいものだ。
それよりはこうした方々については行政当局が把握しておいて、選挙でいえば期日前投票のような場所を常設して、そこで案件について周知徹底を図るのがいいと思うのだがどうだろうか。そして徐々に徐々に新しい時代のあたらしい都道州制の仕組みに慣れ、現代の利器も使えるようになっていただくのである。

ここに行政側の人材が沢山、必要になる。
区役所の本庁の出先事務所化に伴って手の空いた職員は、このような住民の相談役として忙しく働いていただくことになる。おそらくそれでも足りないほどのニーズが生まれるに違いないと考えている。

それもこれも目的は税のムダ使いで借金地獄に陥ったわたくしたちの国が破たんしないためである。上手に説得すれば納得していただけると思いたい。それでなければ1990年代の大不況の繰り返し以上の社会全体の大混乱が待ち構えている。

幸いにして有権者がこれを理解してくださり、協力してくださるということになれば、インターネットを駆使した行政のスピードは飛躍的に早くなり、それによって税金も少なくて済むことになる。
 スピードに機動力、それを戦略性をもってインターネットを活用すれば、それだけでも東京都の場合、兆単位の節税効果があるとにらんでいる。

                    つづく
作成:Sanshiro 2016.07.25 更新:2016.07.30

区庁舎に保育園フロアと特老フロア 

NHKが23日の土曜の夕、おやっと思うニュースを流した。
 稀勢の里がかろうじて白鳳をはたきこみで破った後の流れでみた午後6時のニュースだが、その冒頭で麻生財務相と会談した米国のルー財務長官が市場介入による意図的な通貨安競争は避けるべきと改めて伝えたというのだ。
 伊勢志摩でのG7とその後のG20で合意文書に盛り込まれた通貨安競争は行わないという約束は、日本のアベノミクスを窮地に追い込んでいる重要なポイントだ。しょげた首相が消費税の引き上げを2年半、先送りせざるを得なくなった背景の一つである。そして世界中の金融筋が、さて、日本はどうするのだろうと凝視しているところだ。
 
 おやっと思ったのは、わたくしがこの点についてNHKが明快に報道するのを観たのはこれが初めてだからだ。発表されたものしか伝えない国営放送では世の中を見間違えてしまいかねないのでできるだけ観ないようにしているから定かではないが、どうしたのだろうと思ってよく聞くと、このニュースは中国の成都で開催中のG20に派遣された特派記者が米財務省から得た情報に基づくものだった。さもありなんである。
 米財務のルー長官はさらに成長のためには金融政策、財政政策、構造改革のあらゆる政策をくみあわせることが大切だと述べて、急激な円高には市場介入も辞さないという姿勢の麻生財務相をけん制したという。執拗な米財務省の態度から、もし日本が口先介入だけでなく本当に為替介入をして表面化したら、アメリカはペナルティを持ち出すのではないかとさえ思われる。

 いよいよ都道州制もアクセルを踏み込んで、準備を急がなければならない雲行きである。
 日本の財政難の原因が、30年前に単一市場の創出を断行したヨーロッパにあることがようやくみえてきたからには、日本の対抗策は単一市場をも越えるインパクトのあるものでなければなるまい。ルー長官がどういう意味で構造改革といっているかは不明だが、これも一種の構造改革ということになるだろう。

 日本国内での改革なのだから、ヨーロッパの単一市場のような人、もの(商品)、お金(資本)、サービスについて国境をなくした自由往来はもともと整っている。ならばどのようなソリューションがあるだろうか。

 東京都で改革の余地があるとすれば、23の特別区あたりにあるように思われる。この狭い東京をさらに細分化して23区もの特別区があり議会が設けられているが、その必要性、必然性はあるのだろうか。
 EUは単一市場の創出にあたって、新規にヨーロッパ議会を設け、議員はそれぞれの国から選出されるとした。東京都にはもともと都議会というものがあるから、それも必要がない。
そこで特別区の議会の業務を、本庁の都議会に集約するというアイデアはどうだろうか。広い多摩地区の市町村議会のことは特別区の改革の首尾をみてその後から考えるとして、検討してみる余地はありそうである。
 これによってもちろん本庁の議会の議員定数は増えるだろうし、選出議員は多忙になるだろう。その分、歳費も増え、議員秘書の数も給与も増やさなければならないだろうが、特別区議会の節税分でおつりが戻ってくるほどだろう。

 区役所の仕事は、勢い、都庁の出張所ということになる。住民の基本台帳にかかわる出生、死亡、結婚、離婚の届け出と受理のような仕事は、従来通り変わることはない。住民票や印鑑証明はいまではATMでも自動受付が行われている。
 それとこんどは都庁が手狭になるだろうから、都立公園や街路樹など環境にかかわる部局は目黒区、都営交通のバス、地下鉄の担当部局は品川区、港湾の管理や河川の防災部門は江東区――などと都庁にできるだけ近くて仕事に便利な区役所に集約してしまう。

 これでスペースの空いた区役所の建物は、どこの区庁舎にも近ごろニーズの多い保育園フロアを置く。同時に特別老人ホームのフロアも設ける。子どもたちは1日に1-2時間、特老のおじいちゃん、おばあちゃんと一緒に遊ぶ。特老のおじいちゃん、おばあちゃんたちも孫のような子どもたちと楽しい時間を過ごして長生きする趣向である。保育士はなにも新規に雇うまでもない。区役所の保育課の職員が兼務すればいいのである。
 議会の会議場は、区民の常設集会場になる。議員の部屋は住民の相談室だ。議会の会議場は、区民の常設集会場になる。議員の部屋は住民の相談室だ。相談員は任期のある間は議員先生にお願いする。

区の職員にしてもリストラされて失職するなどということはない。高齢化社会を迎えて、相談員の需要はいくらでもある。本庁に異動になるということもこれまで通りに行われる。
わたくしの個人的な考えだが、これからの地方公務員はこれまでのような主体性のない人材であってはならないと思う。仕事はプロジェクトのような形で進められ、係長くらいまではスタッフとしてメディアに公表され、責任を持つ。都合のいい考えの有識者を集めて、結果に責任を取らない有識者会議なる仕組みに丸投げして、あとは野となれでは税金のムダ使いは終わらない。
有識者に聞かなければならないような公務員では給与をいただく資格はないとさえ思う。専門性を身に着け、一騎当千の公務員として新しい都道州制を引っ張って行くくらいの気概を持っていただきたいと思う。

まだ机上論だからアイデアはいくらでも出てくる。しかし既存の政党やお役人からはブーイングの嵐で、みな反対されることだろう。本当の恐慌でも来ない限り、総論に対する賛成もおぼつかない。
 それでは悲劇を阻止することはできない。EUでは単一市場のための国の統合だけで8年かかった。それから通貨の流通までにはさらに10年、かかっている。行政改革には時間がかかるので注意しなければならない。 悲劇が起きてからでは間に合わないのだ。

 そこで区役所という行政システムの物理的な中抜きを行うことに伴う節税効果を試算して都民に提示してみたい。
 都の年間予算は13兆円、これを16万人の職員で動かしている。都内総生産額は92兆円で韓国を上回り、世界の国でみても14位に粗糖する。区役所の中抜きが実現すれば、行政のスピードアップというメリットも生まれる。
 
 これによる節税効果は、目算でも数兆円に上るだろう。そのお金は都民が望む事業に振り向けることもできるだろうし、地方自治法などに触れなければ都民の地方税の引き下げ、あるいは困窮家庭への支援や保育費の引き下げなどに充てることができる。もしかしたら節税分を都民にキャッシュで分配して買い物をしていただく都のヘリコプターマネーにも使えるかもしれない!

 都道州制はまだまだパワーを秘めている。文明の利器、インターネットによる都民の都政への直接参加の推進だ。これが実用化になれば都政は飛躍的にスピードアップして節税を加速させるだろう。
                    つづく
作成:Sanshiro 2016.07.24 更新:2016.07.24

もしも私が都知事候補だったら

 わたくしは「これは大変だ。日本の財政がピンチだ。みんなに知ってもらわなければ。そして東京都から対策にふみださなければ・・・」とあせって、自ら都知事選挙に出馬しようと準備までした男だから、伝えられる候補者の選挙戦はまるでぬるま湯にしか思われない。

 何気なくつけたテレビの番組をみていると、与党の推薦で出馬した候補は「東京都はアベノミクスで豊かになっているから、すこし地方に回したらいい」などと言っている。政府は東京都の財源の一部を国に付けかえたいと考えているというニュースがあったが、推薦のアンダーテーブルではそういうことが実際に話し合われているのかとさえ疑われてくる。
 だから中央からの推薦を受けた候補者は、前任者もそうだったが推薦していただいた御礼さえしていればそれで済む、それが役目だと考えてしまいかねない。
 そもそもこの発言からは、改革の姿勢が感じられない。官僚の役割は政治家のいうことを聞いて、それを遂行することだといわんばかり。政治家は財源があればあるだけ使ってばらまいて御礼の重箱をいただき、お役人はいずれ天下り先を用意してもらえる。こんな根性が丸見えである。場外参戦してわたくしが書いている大改革の先頭に立つことなど期待するだけアホということだろう。

 少し興味深かったのは、前の宮崎県知事、東国原さんのことだ。
 8チャンネルだったと思うが、主要3候補の公約をあれこれ深読みする番組だった。メインのゲストとして司会の隣に座った東国原さんが、野党の統一候補として後出し出馬した鳥越候補について「演説の時間が短い。ほんの一言、二言話しただけで、次の人にマイクを渡した。あんなことでいいのか。あれが立候補者の態度か」とふんまんやるかたない口ぶりだ。
 特定の候補者についてストレートに口撃するゲストも珍しいと思って注目していたら、東国原さんはそのうちに番組の流れをよそに、なにやら別のことを考えているようす。目の焦点が合わない。司会者がそれに気が付いて「東国原さん、いま、なにをみていたのですか」と尋ねると「宙をみていた」。
 スタジオは爆笑に包まれたが、わたくしにはその気持ちが分かるような気がした。東国原さんは今回の都知事選でも出馬がうわさされていた。それを振り切ってなのか、誘いがこなかったからか、芝居のほうに出ることにして自ら封印してしまったが、こんなキャスターあがりが野党統一候補になって出るのだったら、なぜ私に声をかけてくれなかったのだと様々な思いが頭の中を駆け巡っていたのだろう。もちろん堅苦しい野党政党が東国原さんでまとまることはなかったに違いない。それはそれとして宮崎県知事として大した実績をあげた有能な人物であるだけに、もしも私が候補者だったら―という無念の思いがあるのだと思う。

 選挙は湯水のようにお金がかかると教えられて恐れをなした家族に羽交い絞めされて出馬を断念させられたわたくしは、出たところで泡沫候補の1人だったにしても、とにかく日本は「異次元の財政危機」の時を迎えていることをなにがなんでも都民と国民に訴えようと考えていた。
 1000兆円を超える累積赤字を抱えて、なお赤字債権を刷らなければ予算編成もできなくなった日本は世界のどの国も経験したことのない窮地に陥っている。しかもG7で「通貨安競争をしてはならない」と約束させられたからには主催国の日本として破ることもできない。万事休すなのである。

 都合の悪いことは国民に知らせないのが政治の世界である。とりわけ今の政権は秘密保護法を制定して、報道管制がきつく、知らせるべからずの傾向が強い。政府よりのメディアまでがそれを助長している。
 このままだとある日突然、晴天の霹靂がないとは限らない。
 近年では南米のアルゼンチンが2001年に債務不履行に陥ったことがある。預金封鎖、ハイパーインフレ、倒産、失業などで、社会が大混乱に陥った。経済規模からいって日本はけた外れに大きく、また累積赤字も世界に類例のない規模だから、日本の混乱は国内のみならず世界に及ぼすことになる。
 
 そのような事態は絶対に引き起こしてはならない。
 まずは、なにごとにつけて先駆ける東京都民がまずこの事実を知り、自ら税金のムダの退治に乗り出す。これは決して不可能なことではないし、都民にとってもマイナスではない。ムダ使いを正して税金が使わないで済むようになった分、地方税の税金を安くするということだってやろうと思えばできないことではない。
 これを東京都で実現して、地方もそれはいいぞと動き出せば、差し迫った危機は間一髪で回避できるとみている。
 今回ほど大事な都知事選はないと考えている。
                       つづく

作成:Sanshiro 2016.07.23 更新:2016.07.30

戦争に負けたことのない大英帝国の初の敗戦か
 
 大英帝国は一度として戦争に負けたことがない。だから7つの海にユニオンジャックをひるがえして植民地を設けることができて、陽の沈む日がないといわれた。

 その英国で6月26日、国民投票が行われてEU離脱が決まった。
 残留48.11%
 離脱51.89%

 英国には英語が通じる国ということで、日本企業が1380社も進出しているから大変な騒ぎになった。正式に離脱になったら、大陸ヨーロッパ諸国に輸出する商品には関税がかけられることになる。それでは商売あがったりだということで進出の会社の株だけでなく、東京市場全体の株を引っ張った。
 市場はそうでなくても伊勢志摩サミットのG7以降、日本の財務のひっ迫問題が表面化して低迷しており、泣きっ面にハチとなった。

 しかし投票前の勢いはどこへやら、勝利した離脱派の熱狂は長続きしなかった。EU単一市場からの脱退による弊害の大きさがたちまち明らかになってきたからである。離脱派の指導者格だったボリス・ジョンソン前ロンドン市長は離脱の結果が出ただけで役割は終えたと引退を宣言した。離脱による予想以上のダメージにビビったのではないだろうか。

 一番の問題はスコットランドが独立して、独自にEUに加盟する可能性が急浮上してきたことである。スコットランドにはかねてから独立の機運があり、2014年9月には住民投票が行われている。そのときは独立賛成44.70%、反対55.30%で否決された。しかし英国そのものがEUの単一市場から離脱するとなれば話は別である。スコットランド独立党は早速、再度の独立を問う住民投票の準備にはいっている。
 
 英国という国は正式には連合王国と呼ばれ、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4か国で構成されている。首都はそれぞれロンドン、エディンバラ、カーディフ、ベルファストだ。
イングランドのアングロサクソン人に征服された民族の異なるこれらの国々にはロンドンなにするものぞという空気があり、北アイルランドではいまでも分離独立派が地下で活動している。

 わたくしはヨーロッパ統合運動について何冊も著作のある研究者だが、一般のメディアや評論家とは少し異なる味方をしている。そもそもわたくしは英国がEUの正統な加盟国だとは一度も考えたことはない。
 英国はEUの国家統合のなかで極めて重要な通貨統合のプロセス((ERM)には一度も入ったことがない。単一通貨ユーロも採用せずスターリングポンドを使ってきた。国民の多くがエリザベス女王のポートレートを印刷したポンド紙幣や女王の横顔のレリーフを刻んだコインでなければ受け付けないからである。世論調査をすると国民の70-80%がポンドの放棄には拒絶反応をみせたものだ。
 鉄の女の異名を取ったマーガレット・サッチャー首相も通貨発行の国家主権まで譲歩することには断固、反対だった。「それでは英国はヨーロッパで孤立してしまう」という野党からの批判のためについには辞任に追い込まれても、007ならぬ女王陛下の首相であろうとした。
 
 当時のEU本部はかたくなな英国の態度に手を焼き、かといって英国抜きの単一市場では世界経済にたいするインパクトが弱いので、やむなく通貨に関しては国内情勢が変わるまで猶予期間を与えるとするオプトアウト条項を設けて英国を当初加盟国に組み込んだ。
 これをいいことに英国は人、もの、お金、サービスについて国境をなくす単一市場のいいところばかりを享受してきた。

 つまりは英国人は世界に君臨して繁栄した大英帝国への郷愁、ノスタルジアのなかに暮らしたいのである。

そんな英国にも東欧諸国からの出稼ぎ労働者が増え、そこに中東やアフリカからの難民の群れが殺到したことから、ついに国民投票で単一市場からの離脱が決定したのだが、これからが思いやられる。
もはや英国は大英帝国ではないのである。もしスコットランドが独立を選択して連合王国の枠組みから抜けることになれば、大英帝国の解体が始まる。北海油田もスコットランドのものになる。来たアイルランドもウェールズさえもどうでてくるか分からない。
21世紀の現代において、「スコットランドの独立などそんなことは許さん、軍隊を送るぞ」と息巻いてもそんなことができるとは思われないが、極度に緊迫する事態も予想される。

一方でEUのほうはその後、東欧諸国の参加もあり、ウクライナも順番を待つなど規模も当初からは大きくなり強靭になった。英国が抜けたぐらいではビクともしない。
 どこの国でも与野党の攻防があり、単一市場からの脱退を主張するところはある。日本のメディアはそのあたりがよくわかっていないようだが、不戦協定としてのEUの核心部分は揺るがない。

英国の人々は大英帝国への郷愁からEU離脱の国民投票を決めた。だが、これはトラファルガーでネルソン提督の艦隊がナポレオンの艦隊を粉砕した海戦を含めて、戦争に負けたことのない大英帝国の初めての敗戦の気配濃厚である。
 ついでに申し添えるならば、英語の使えるEUでないと困るのであれば、隣のアイルランドに引っ越せばいいのである。日本ならば大阪あたりから四国に飛ぶくらいの感じだ。急がなくてもよければ、スコットランドの動きを見て、エディンバラ方面に移転してもいいだろう。
                   つづく
作成:Sanshiro 2016.07.22 更新:2016.07.30

お国自慢はご法度です

 大名が君臨する藩ではなにかというとお国自慢で盛り上がった。よその藩、なにするものぞ、負けてなるものか、「あれは食い物ではない」と隣接の藩の名物をこきおろす。武術でも食べ物、名物でもこうして競い合った。
 それは小さな国が隣り合っていがみ合ってきたヨーロッパでも同じこと、とりわけ食料や嗜好品ではなかなか譲歩しない。

 小さなことが大事件になった1例がスパゲッティだった。
 これはイタリア人にとっては決して小さなことではない。イタリア発祥のスパゲッティは腰のあるヂュラムセモリナというイタリアでとれる小麦で作られたものなければならず、それはローマ時代から決まったことなのだ。どこか素性のしれない外国から輸入した小麦粉で作ったものなどスパゲッティと呼ばせるわけにはいかない。
 これに対してよその国は、それでは高いイタリア製のスパゲッティしか食べられないことになる。それに長く親しんできたわが国のスパゲッティ業者を見捨てることはできないと、こちらもとことん頑張って折り合いがつかない。

 同じようなことがビールについてもあった。
 ドイツは昔からビールは麦芽とホップ以外のものをまぜて作ってはならないと法律で決めており、コーンスターチやアルコールを加えた外国産のビールの流通を禁じていた。すなわち統合が実現しても、ドイツではよその国のビールは流通してはならないとの立場である。
 ほかの国は、ビールにもいろいろあっていいではないかーと譲歩を迫ったけれどもドイツは態度を変えようとはしない。ドイツのビール醸造業界のかたくなな態度に政府も弱りはてていた。

 いよいよ統合という段階になると、こうした案件はほかにもいろいろとあることが分かって、ブリュッセルのEU統合本部は頭を抱えた。
 このときEUの裁判所が画期的な判決を行う。
 「どのような商品であっても、参加国のどこか1国で流通している商品は、域内のほかの国でも商品として受け入れなければならない」

 これが商品(もの)に限らず、あらゆるものについて適用されることになった。
 この裁判ではディジョンのカシス酒がテーマだった。カシス酒というのはスイスの国境に近いフランスのディジョン地方で昔から醸造されているアルコール度15%-20%の果実酒だ。ところがドイツにはアルコール度数32%以下の果実酒は売ってはならないと法律でさだめてある。このようなカシス酒は扱うことができないとドイツがはねつけて裁判になっていた。

 しかしこの裁判の判例が、サービスの分野などでもくすぶっていた案件を一挙に解決する味な万能判決であることが判明した。
 教員の免状や医師免許にはじまって無数にある国家資格をめぐる争いが、この判例を適用することで解決したのである。
 民族の誇りにかけて心血を注いできた教員試験のカリキュラム、医師の免状などが、よその国と一緒くたにされることについてはどこの国でも不満がくすぶっていた。かといってそのようなことに拘泥していたのでは人の自由な往来もサービス部門の交流も一歩も進まない。それをカシス裁判は一刀両断に解決したのである。

 このようなことを書くのは、いずれこうしたEUのノウハウが日本でも必要になるだろうからである。どこでだって小さなことが大事件なのだ。
 大きな案件については前日のブログでジャック・ドロール委員長が「大きなことはいいことだ」と言ったとさらりと触れたが、ビジネスの世界はそんなに簡単な甘いものではない。
 都はともかく、道州の統合ということになれば行政だけでなく、バス会社もトラック会社も、新聞やテレビ局もが統合と再編の嵐にもまれることになる。運びようによっては都道州制反対の声が、日本列島を覆うことになるかもしれない。

 行革反対の声を聞いてニンマリするのはEUであり、アメリカだろう。中国もまたホッとするかもしれない。
 日本が財政難の処理に困り果て、ヘリコプターマネーのような禁制の財源に手をつけるようなことになれば日本の政治と財政金融の信用は地に落ちる。

これについて21日、日銀の黒田総裁が英BBCラジオのインタビューで「ヘリコプターマネーについては検討もしていなければ必要もない。ほかにも選択肢はある」と述べたことが伝わると、1ドル=107円20銭まで戻していた円が105円前半まで2円近くも急騰する場面があった。
日本は禁じ手のヘリコプターマネーに手を出さないではいられまい、それほど困窮している。良し悪しはともかく、それはそれで設けるチャンスだとハゲタカファンドが巨額の資金を投じていたことが透けてみえた。

 日本の財務はいまや世界中が凝視する大きな問題になっていることを示した。
 いくらつらくても国の借金地獄の原因がなくなるように、まずは東京から税金の無駄をなくし、とことん節約する都道州制への着手をみんなで考えようではないか。
                                                  つづく

作成:Sanshiro 2016.07.21 更新:2016.07.30

犬猿の隣国(県=藩)と共存させるためのEUの知恵

 EUに恩返しする意図を秘めた広域サイバー行革の都道州制が、新しい都知事に採用されるかどうかはわからない。
ただ財政問題の深刻さからみて今回の都知事選あたりがぎりぎりのタイムリミットだろうと考えている。獅子の前髪にも似たかすかなチャンスに賭けて、できる準備だけは進めておきたい。

日本と県とEUの国境を取り払った国とは別物である。県は日本国のなかの地方自治体であり、EUの国は主権を持つ国家だ。
スケールとしては日本は人口1億2500万、EUが3億2000万、財政規模でいうとEUの当初の参加12か国の半分ほどの規模になる。1国でEUの12か国を束ねた総額の半分(当時)だというのだから、日本というのは大した国なのだ。

EUが隣国同士の国境を取り払って、人、もの(商品)、お金(資本)、サービスに関して自由に移動、流通させるというヨーロッパの国家統合の試みは、日本が都道州制で隣り合った県を一緒にするときの参考になることが多い。

日本では廃藩置県で藩を県にしたような区割りになっている。戦国時代にはそれぞれが領地を巡って戦った。そんな歴史の記憶はもう歴史書の中とはいえ、隣接する県の人々は決して仲は良くない。それはビジネスにも及んでいる。
テレビで路線バスを乗り継いで旅をする番組が流行っているようで観ることがある。そうすると小さな県なのに、県境を越えて隣の県に行くバスがない。一事が万事、日本列島はこんな具合なのである。
これまで道州制のメリットはよく知られながら、なぜか地元の受けが悪くて自然消滅してきた理由の一つがこうしたそれぞれの県の人々の県民性の違いだろう。日本は山また山の国だ。大きな山を越えると言葉(方言)までが違うというところは沢山ある。だからお互い山向こうに住む人々の悪口をいう。

わたくしは山形県の内陸部、最後には上杉一族が統治した米沢藩に一角に生まれ育ったが、昔は海の幸などほとんど口にすることができなかった。タンパク質は最上川上流域の川の魚やニワトリの肉、卵くらいなものだった。だから独特な方言がいまも残っている。
一山超えた、といっても月山を超えた先に位置する鶴岡の人々は、こんな内陸部の人々をほとんどサル呼ばわりである。最上川流域には連綿の歴史があり、そこでは類まれな価値観が育まれてきた。文化的にも相当に高いと自負している。だからお互いさまなのだが、こうした人々が一つの行政体にされてしまうことには生理的な嫌悪感すら覚える人は少なくないだろう。
徳川幕府が謀反の監視のために、幕府に友好的な大名の隣りにいざというときには幕府に弓を引きそうな大名を置いたから、どうしようもない。

一方で、かつて大名行列が練り歩き、籠がえっちらおっちら走っていた江戸時代そのままの行政区割りが、長年の間にえもいわれぬ居心地の良さを醸し出している。それをいいことに変化を喜ばない、言葉を変えて言えば変化に耐えられない日本人をいたるところにはびこらせてしまった。
 
EUの単一市場にまとまっている国々にしても、元はといえば全面戦争をなんども繰り返してきた仲の悪い民族である。とくにドイツとフランスは1世紀の間に3回も戦争をした。お互いの民族が怖くて仕方がないから、平和にやろうよと手を握っているのである。
1951年にジャン・モネが発案して実現した共同体は、戦争をする原動力になる石炭と鉄鋼を国家を超える共同体にゆだねて共同管理するという「不戦同盟」なのである。
ジャン・モネは国際商品であるコニャック(ブランデー)の醸造家に生まれたコニャック商人で、世界各国を営業に歩いている。ヨーロッパの国々は小さすぎてグローバルな競争力が持てないから、統合して大きくなるべきだとも考えていた。だから石炭鉄鋼共同体の理念を他の商品に適用すれば、いくらでも拡大できる仕組みを組み立てていた。

この原理を1985年、EC委員長になったジャック・ドロールが人、もの(商品)、お金(資本)、サービスにまでドーンと広げた。サービスというのは教員資格とか医師、保育士などの資格、大学の学生の単位などで、これらについても国境をなくして、加盟国の国民ならばどこの国でも効力があるとすることを決めたのである。
ドロール委員長はこの推進にあたっては、企業が競争力を強めるためにM%Aなどを行うことは「大きいことはいいことだ」と奨励した。国単位の市場が統合によって大きくなるのだから、その中で弱肉強食が行われるのはやむを得ないと市場原理に委ねたのである。

1992年末に完成した国境障壁のない単一市場の完成がヨーロッパの国家統合の第2フェーズだとすれば、2002年1月の単一通貨ユーロの市場流通は第3フェーズだろう。
加盟国がこれまでの各国の通貨を捨てて、ユーロ通貨を採用することを最終的に決めたマーストリヒト条約は大いにもめた。デンマーク国民が拒否し、肝心要のフランスでも条約の批准を国民投票にかけたときは賛否が拮抗して危うく葬られかかった。
賛成51,05%、
反対48,95%。

国民に批准を呼びかけるフランスのミッテラン大統領は、「否決にでもなったら、我々は日本に勝つことができないのだ」とテレビで演説して最後の最後まで日本の脅威を強調した。
 なにもそこまでわが母国について大統領が言うこともないではないかとわたくしは反発したが、いま、日本が金融恐慌の発生源にさえなりかねないところまで追いつめられて対策を考えているとき、それまで数十年の成果が無になりかねない局面での故ミッテラン大統領の懸命の思いが分かるような気がするのである。
 原稿が長くなった。市場統合に役立つEUの興味深いノウハウの話は明日にしよう。
                  つづく
作成:Sanshiro 2016.07.20 更新:2016.07.30

ユーロパワーに襲われた日本

近ごろ、英国が国民投票で離脱を決めたことでEUの単一市場が大きな話題になった。この単一市場はどうしてできたのか。

じつはこれにわたくしたちの日本が大きくかかわっている。このことを知っている人は多くはないようだ。
1970年代から80年代にかけて日本製品がヨーロッパ市場に進出して、各国の地場産業を次々とノックアウト、どこの国も不況にあえぐようになった。その打開策として各国が、人、もの(商品)、お金(資本)、サービスについて国境障壁を取り払うことを決めたのだった。
日本製品の勢いはそれほど激しくて、フランスなどは日本製品にかける関税の受付事務所をわざわざポアティエに置いた。ここは軍事的要衝で732年の昔、フランク王国がウマイヤ朝のイスラム軍を撃退したところ。フランスはMade in Japanになど絶対負けないぞという意思表示でもあった。

1985年、ブリュッセルの当時のEC委員会に辣腕の財務の専門家、いずれはフランスの首相と目されていたジャック・ドロールが任命された。就任にあたってドロール委員長はこう語った。
「ヨーロッパは重大な岐路にある。ヨーロッパの食事や文化を楽しむアメリカ人や日本人の博物館になるか、それとも経済を立て直して名誉あるヨーロッパとして再生するか―である」
そして「ヨーロッパの12か国の人口は3億2000万、これだけの人口が国境を取り払って一つになり、経済の障壁を取り除けば、必ずや競争力を取り戻してアメリカや日本の商品との競争に勝てるようになる」と続けた。そしてその実現のときは1992年末だと語った。
 
 単一市場の原型は1951年にすでに出来ていた。そのときの中心人物はEU統合の父と呼ばれるジャン・モネというやはりフランス人である。
朝鮮戦争がアジアで火を噴き、西ドイツがソ連との対決に備えて再軍備させられようとしたとき、モネはそれはまたしてものドイツとフランスの戦争の布石になると考えた。そこで当時、戦争遂行の素材と考えられていた石炭と鉄鋼について国家を超える共同体という超国家機構にゆだねて管理させることを西ドイツに提案した。
大陸側のヨーロッパ諸国ではまだ第二次大戦で焦土と化した記憶が生々しかった。このため西ドイツのアデナウアー首相はすぐさま賛同し、これを聞いたオランダ。イタリア、スペイン、ルクセンブルグも石炭鉄鋼共同体(ECSC)に参加することになった。
このとき各国を結束させたものは第二次大戦の戦火の再来への恐怖心だったといえる。

しかしフランスに愛国主義者で国民国家を信奉するシャルル・ドゴール大統領が就任すると国家のなかに国家を超えた機構が存在することを嫌って目の敵にした。このため共同体の活動は低迷を続けて、ブリュッセルのEC本部は閑古鳥が鳴き、ニュースがなにも出ない記者クラブに駐在する記者もいなくなってしまった。

それがジャック・ドロールが委員長に就任して、その年のうちにECサミットで国境なき共同体の推進が決議され、1992年までに国家間のあらゆる障害をなくす300項目に及ぶ提案が盛り込まれた白書が採択されるや、世界の見る目が変わってきた。
さらに1986年2月、単一共同市場建設を明記した単一ヨーロッパ議定書が調印され、87年7月に発効すると世界中のビジネス業界は騒然となる。眠れる重病人のヨーロッパはついに目を覚ましたのか。

このころEC委員会がコンサルタント会社を動員してまとめた16冊、合計6000ページに及ぶ単一市場による経済効果についての報告は、いやがうえにもブームを煽った。責任者の名前を冠してチェッキーニ報告と呼ばれた報告書は次のようなメリットを謳っていた。
① 市場の完成による効率改善、競争力強化、コスト削減によって経済は活況を取り戻し、国内総生産(GDP)を4,5%押し上げる。
② 消費者物価を平均6,1%引き下げることができ、その結果、公共部門でGDP比2,2%のコスト削減効果を生む。
③ 180万人の雇用創出が行われ、これにより失業率が1,9%下がる。
④ 長期的にはコスト削減、生産効率の改善が相乗効果を上げ、それによってGDP比7,5%のアップと600万人の雇用創出がみこまれる。

 これらは域内の波及効果だが、諸外国のビジネスマンたちが心配したのは、一旦、単一市場ができてしまったら外国資本が入り込めない障壁を設けるのではないかということだった。
 もしそのようなバリアーが築かれたら、世界的に見て消費意欲が旺盛で文化的にも高いヨーロッパの人口3億を超える市場を失ってしまう。それこそ大損失だとアメリカ、日本をはじめ世界中から外資がヨーロッパに向かって流れ込み始めた。これが西ドイツのベルリンなど主要都市に時ならぬ繁栄をもたらす。
これをみた東ヨーロッパ諸国の国民が「われわれもヨーロッパ人だ。このままソ連圏にいたらいつまでも幸せになれない」と焦り出した。東ドイツの若者たちはこうしてはいられないと旅行が許されているソ連圏のハンガリーに向かい、そこから鉄のカーテンの鉄条網をくぐり抜けてオーストリア側に脱出して西ドイツへと亡命した。
これが鉄のカーテンが内側から破られ、ベルリンの壁が崩壊して東欧諸国に民主化のドミノを起こすアリの一穴になった。単一市場は1992年末に完成する前にどでかいことをやってのけたのである。

EU単一市場は日本の経済進出が契機になって生まれ、単一通貨ユーロも創出された。いま日本が財政危機に陥っている多いな原因はこのEUの台頭のせいもある。
 かつてわたくしはビジネス丈夫氏「ウエッジ」にコラム「ヨーロッパの明日」を20年連載して、その一部を「ユーロパワー 日本を襲う」と題した本を出版したことがある。まさしくEUの国家統合は設計したジャック・ドロールらの願いの通りに、ヨーロッパに塗炭の苦しみをなめさせた日本経済に対するリベンジに成功したのだと思う。

 1985年から30年、あまり長い間の変化なのでこの国際経済のドラマが見えないか、あるいは見ようとしないで、日本の政治家はただただ赤字債権を積み上げて日本経済を断崖絶壁まで追い込んでしまった。G7でさらに赤字国債を刷ろうとする日本の提案が冷笑されたのみか、通貨安競争にストップをかけられたのは当たり前のことだった。
 こんどは日本がEUへのご恩返しに、再生のための大胆な行財政改革に乗り出す順番なのだが、この国際経済の劇的なドラマの筋書きをなんとしても分かってもらいたいものである。
 都知事選の場外参戦のブログの真の目的はそこにある。
                                           つづく
作成:Sanshiro 2016.07.19 更新:2016.07.30

東京から始まる日本の行財政改革

 そろそろ本題に戻ろう。
 わたくしが考える東京都から始める都道州制は、本格的に動き出せば明治初期の廃藩置県に匹敵するスケールになるとみている。
 廃藩置県は国民もよく知っている。幕末から明治にかけての動乱期に有無を言わせずに施行された。背景にはひよわな新生日本を植民地にしようと虎視眈々ねらうアメリカとヨーロッパの帝国主義の国々の艦隊の影があった。
 
 この泰平の21世紀に大規模な行政改革をしなければならない脅威などどこにあると多くの日本人はいうだろうが、それはある。急浮上してきた財政問題である。
これが国民に見えないのは都合の悪いことは国民に伝えようとしない巧みな政府の報道管制のせいだと思う。そのお陰で自民党は参議院選挙で勝利した。発表されたことしか報じない国営放送のトップはまもなく交代とのことだが、お役目ご苦労さまということでそれこそ勲章ものだろう。

わたくしが異変に気付いたのは今年の連休のときである。
円が6円も対ドルで急騰した。東京市場が休みのときにファンドが仕掛けてくるのは毎度のことだが、あまりにも動きが激しい。
なにが起きているのか。調べてみると、安倍首相は連休を利用して伊勢志摩サミットに出席するヨーロッパのG7の首脳を、根回しを兼ねて訪問したところ、最初の訪問国イタリアの首相は財政出動に賛成してくれたのだが、その後のフランス、ドイツ、イタリアの首脳からは総スカンを食った。

 日本が開催する伊勢志摩サミットに暗雲が垂れ込めた。G7の直前、5月20-21日に宮城の秋保温泉で開催されたG7財務相会議では、アメリカのルー財務長官から日本の通貨安競争を非難されるにいたった。
 こうして始まった伊勢志摩サミットでは、文字通り首脳だけの会談でその詳細はうかがいしれないが、最後に発表された合意文書でも通貨安のための競争は加盟各国は行わないと明記された。日本が強く望んでいたG7協調しての大規模な財政出動による世界経済の牽引構想がまったく受け入れられなかった。アベノミクスがデフレ脱却の切り札としてきた円安の工作までが封じられてしまったのである。

 ふつうの国ならばなんということもない話である。しかし日本はフツウの国ではない。税収のほとんど20倍もの累積赤字を抱えている。赤字債権を刷らなくては予算も組めない国なのだ。
 この結果を受けて安倍首相はアベノミクスをスローダウンさせて10%への消費税引き上げを2年半、延期することを表明した。参議選挙への配慮だけではなくG7の開催国として首脳間でまとめた合意を破るわけにはいかないからである。

 ここに至って株価は急落、円高は急伸してついには1ドル=99円をつけた。こういう場面で円が高くなるのはハゲタカファンドが食らいついてくるからである。円が高くなれば経済に悪影響を与えるから必ず日本政府が介入してくる。その真水(介入資金)がおいしい収益になるので、笑いが止まらない。
 折からのイギリスのEU脱退の国民投票は脇役に過ぎない。

 参議院選挙で自民党が勝利して、政府はアベノミクスガ国民から信任されたとして新たな経済刺激策を用意しているようだ。それを期待して円高は一服し、株価も1500円ほど戻した。
 しかしG7の合意は厳然と存在し、苦しい財政状況は変わらない。そこで経済紙などが報じているところによれば、政府はヘリコプターマネーを投じることを内部で検討しているという。マイナス金利の奇策では間に合わずに、こんどは日銀が直接、政府に無制限に資金を提供するヘリコプターマネーの導入までが協議されているというのだ。
 ヘリコプターマネーというのは、日銀が市場性のない永久国債というものを発行し、それを日銀がすべて引き受けるという際限のない借金の手法である。市場性のない債権なので金利を払う必要もない。ナチスドイツがそれで大規模な軍備増強を行ったことが知られている。平時には禁じ手なのだが不可能ではない。

 日本経済が飛ぶ鳥を落とす勢いだった1980年代には赤字債権などまったく必要のない健康優良児だった。その日本がここまで困窮している。
 しかもG7諸国からは、これ以上の赤字国債の積み上げと通貨安政策はもういい加減にしてくれとクギを刺されている。すでにして日本の財務問題は四面楚歌の状況にある。

 このような危機的状況を打開する秘策が「広域サイバー行革」なのである。国民がこの状況を知らされていない、だから理解ができないというのではこの妙案を分かってもらうことも難しいのかもしれない。
 もしかすると日本はこのまま断崖絶壁から転げ落ちる運命にあるのだろうか。そのようなことはあってはならないと、わたくしは「東京都知事選に場外参戦」のブログの長期連載を始めたのだ。
******
 18日の日経電子版によれば、日経の電話による序盤戦の世論調査では小池ゆりこ候補が先行しているという。前日、わたくしが池袋で得た感触は正しかったようだ。彼女はただ一人、行財政改革を公約に掲げて戦っている。わたくしも場外でとことん頑張るぞ!
 明日はEUの国家統合に似る都道州制をテーマに書くのでお愉しみに。
                                     つづく
作成:Sanshiro 2016.07.18 更新:2016.07.30

「初の女性都知事」の風が吹く

 梅雨の晴れ間にふらりと池袋へと出かけた。
組織もなく単騎で東京都知事選に出馬した小池ゆりこ候補は、どんな戦い方をしているのだろうかと気になっていたからである。
 JR池袋駅に着いて、さてどっちの出口の方だろうと小さな店の人に聞いたら「西口だそうですよ」とすぐ答えが返ってきた。知名度はまずまずのようだ。

 西口に出てさらに尋ねると、「あれですよ」と空を指さす。
エッと思って見上げると、高いところに「小池ゆりこ選挙事務所」と書いた真新しい看板があった。選挙事務所というのは普通、人通りの多い通りの1階にあるものと思い込んでいるものだから意表を突かれた。
 実際、選挙事務所は「とのやビル」という6階建ての建物の最上階にあった。相当に古いもののようでエレベーターの案内板の6階のボタンを押しても点灯しない。それでも動いて上昇、着いてドアが開いたところが受付だった。
 出馬のお祝いというか陣中見舞いを出そうとすると、「どちらさまからもお気持ちだけいただいて、お茶菓子のようなものでもお断りしております」という。注意して見回すと贈り物お断りの張り紙がしてあった。選挙にはいろいろな制約があるらしい。
 
 事務所では30人ほどがチラシを折ったり、郵送したり、電話の応対をして忙しそうにしていた。小池候補の街宣車について行っているスタッフもいるだろうからざっとみて50人ほどが活動しているということになる。これら忙しそうにしているスタッフはみな手弁当のボランティアだということか。
 そうだという。ちょっと休んでいってくださいというので麦茶をいただいて話をしている間にも次から次と陣中見舞いの人が上がってくる。その邪魔にならないようにと外に用事のあるスタッフはなんと階段で6階を上り下りしていた!

 小池候補は都知事選挙に立候補して自動的に国会議員職を失う前は、衆議院の東京10区(豊島区と練馬区の一部)選出の議員でなんども当選しているベテランだから地元のネットワークは出来上がっている。ただそれは自民党議員ならばであって、今回は党中央に相談なく立候補宣言したこじれから、自民党関係者は応援してはならないことになっている。しかしそれは霞が関の論理で、裏方には自民党の後援会組織「豊壮会」がしっかり入っているようにみえた。
 
 池袋に向かう途中、「鳥越 体力不安」「演説1日1回」と大きく掲げたタブロイド紙の見出しが駅の売店にあった。
小池候補の方はどうなのだろうか。
 麦茶をすすりながら教えていただいた16日(土曜)の遊説スケジュールは次の通りである。
 11:00 スカイツリー前
 12:00 有楽町イトシア前→ビックカメラ前
 14:30 銀座4丁目交差点→銀座歩行者天国
 16:30 上野御徒町駅前→マルイ前
 18:00 池袋サンシャイン東急ハンズ前→池袋東口→池袋西口
 20:00 池袋ニュー盆踊り

 演説は都合10回。最後は盆踊りへの参加で締めるというタフなものだ。おったまげた強行軍である。しかも前日には八丈島に飛行機で飛び、帰りには多摩地区の中心の八王子市で遊説をしたという。都合700キロの旅をこなしたばかり。その疲れはどうか。

 池袋東口の五差路にサンシャイン方面から歩いてやってきた小池ゆりこ候補は前座の衆議院議員らの後からやや小ぶりな街宣車の上に立った。
 「みなさん、こんにちは」と始めたスピーチに疲れの様子は微塵も感じられない。強く、張りのあるいつもの声である。
「わたくしは政府のいいなりにはなりません。都民のみなさんとともに、都民のための政治をするのですから。それが政府自民党には気にくわないのです」
たちまち炸裂する中央批判に拍手、また拍手である。夕刻、帰宅を急ぐ人々がチラシをもらってしばし演説を聞き入っていた。運動員からチラシをもらうのは女性、それも20代から40代の女性が目立つ。
 組織のバックのない一人ぽっちの都知事選挙、その逆境がかえって小池候補を奮い立たせていた。そしてその気持ちが聞き入る人々にストレートに伝わっていた。運動員の一人は「こんな選挙は初めて。どんどん支持者が増えていく」と語った。

 池袋駅西口、選挙事務所がみえるところでの遊説では、まず最初に小池候補が街宣車の上に立ち、応援の豊島区の区長に最後を託した。都選管が定める終了時間の午後8時が迫っていた。盆踊りに参加する準備もあるからだ。
 この日の演説のトリを委ねられた豊島区長は「初の東京都知事を豊島区から出しましょう。日本は国連から女性の活躍の場が少ないと責められている。世界中の日本にたいする見方がガラリと変わるだろう」と繰り返した。
 
 小池候補のスケジュールはまだ残っていた。
 しばらく選挙事務所の近くで待つうちに現れた小池候補は白地に藍色の模様の浴衣にお召し替え。200メートルほど南の広場で行われていた地域の盆踊りに参加しようというのだ。後ろには候補の盆踊りの画像をなにがなんでも撮らなければディレクターの首が飛ぶと血眼のテレビクルーなど20数人を引き連れている。
 ところがちょうどそのころ盆踊り大会は佳境にはいっていて、テンポの早いモダンな盆ダンスが次々とかけられていた。並みの人でとうていついていけそうもない。結局、小池候補は盆踊りの会場を一回りして事務所に引き上げて、カメラマンたちをがっかりさせた。
 かくいうわたくしも実はがっかりしたのだが、浴衣姿の小池候補の盆踊り姿がみられるのは時間の問題だろう。

 久方ぶりにこんな追っかけをして、一番強く耳に残ったのは「初の女性都知事を誕生させよう」という声だった。確かに意義はある。
 勢いに乗る自民党に真っ向から挑戦状をたたきつける小池候補のスタイルには捨て身の政治家のカッコよさが漂う。アメリカではヒラリー・クリントン大統領候補を応援するために「女性の候補に投票しない女性は地獄に堕ちてしまえ」という激しい発言までが飛び交った。大和なでしこの日本ではそこまでの言葉はないかもしれないが、日ごろはおとなしい日本の女性にもだからこそ秘めた思いはあるだ。
 小池候補は同情票、女性票、反自民票、浮動票をごっそり吸い上げて、思いがけない結果をもたらす可能性を秘めているとみた。
                                      つづく
作成:Sanshiro 2016.07.17 更新:2016.07.30

内なる敵(税のムダ使い)と外の敵3300兆円

 都知事選の真の争点は東京オリンピックでもなければ、保育所の設置問題でもない。 
 最も大きな本当の争点は、前の知事がなぜ辞めなければならなかったのか、その理由を突き詰めて考えるところから見えてくる。

 公私混同での税金のムダ遣いが、あれよあれよという間に大問題に発展していった。そこには物価高と税金の支払いに追いまくられて、気持ちがささくれ立つている庶民の怒りがあったと思う。こうした都民の苛立ちが「許すものか」と膨れ上がって爆発した。
 都政というよりは国政の問題だから、八百屋の前でダイコン1本150円、ネギ1本が100円って高いわねと思案投げ首のママさんたちにはよく分からない話になる。
 零細中小企業やベンチャーの社長さんたちは知っていると思うが、経営がうまくいかなくなると税金が重く感じるようになる。払わないでいると国税は年金まで差し押さえて払わせるから、銀行よりも取り立てが厳しいとさえいえる。

 大企業のなかには史上空前の決算を発表しているというのに、庶民のこの暮らしにくさはどうしたことかと、じっと手をみている都民は少なくないと思う。
 消費税の引き上げは物価上昇を引き起こして、平均的サラリーマンの実質収入は減って生活が苦しくなっている。だから都知事選のなによりも大きな争点は、なぜこのような消費税が必要でこんなにも庶民を苦しめるのか―というところにある。

 この問題を根底から解決したいと「広域サイバー行革」を発案したわけだが、これを解決するには2つの敵を倒さなければならない。内なる敵と外の敵である。

 内なる敵とは、税金を湯水のように使い、国民を窮地に追い込んでいる人々である。財源がないのに「あれがほしい、これを作ってください」と政治家に請願陳情して、赤字債権を刷らせてきた国民自身でもある。1990年代末、累積赤字は500兆円を超えた。
 もちろんこうした財政運営を選択した為政者の問題でもあるが、いまさら責任のなすり合いをしても始まらない。税金が足りなければ起債という不思議な錬金術を使って野党民主党が政権を取ってからも続けられた。東日本大震災で政権を奪還した自民党政権になるとたちまち累積赤字は地方債も含めて1000兆円を超えるにいたった。
 この20年間、与党にも野党にも止められなかった赤字国債の積み上げを、「広域サイバー行革」はどのようにして改善するというのか。その秘策はいずれ詳述するのでお待ちいただきたい。

 外の敵とは、困窮する財政運営につけ込んで日本の富を食い物にするハゲタカファンドのことだ。
 ハゲタカファンドは別の名を外資と呼ぶ。景気のいい時には紳士面をみせて出資のお手伝いをしましょう、景気をよくしましょうと丁重なものだが、損をしかねないとみるや、それまでの利益をかついでさっさと逃げて行ってしまう。不景気のときには苦しい会社の首吊りの足を引っ張るようなことも平気でやる。
 日本では昨年2015年からアベノミクスは手詰まりになったと読んだ外資が引き揚げ始め、ハゲタカの本性を見せ始めた。昨年来の不景気風はこのためである。

 しかし外資とハゲタカといわれるファンドは同じマネー、国際流動資本なのである。世界を駆けめぐるこれらのホットマネーから見放されるようでは好景気も経済成長もおぼつかない。
 自由な市場経済が生み出した鬼子のような流動資本は、いまや30兆ドル(1ドル110円換算で3300兆円)にもなるという。
 先ごろ暴露されたパナマ文書が明るみにした1000兆円の金額にも仰天したが、その3倍だ。これら莫大なマネーがただただ収益を求めてグローバルに徘徊している。これこそが現代の妖怪だろう。

 しかしこうした国際流動資本を引き付けられなければ庶民が望む好景気はやってこない。
 「広域グローバル行革」は税金のムダ使いを退治した暁には、これら国際流動資本も関心を持たないではいられない魅力的なプロジェクトの数々を打ち出そうとしている。都や国の税のムダ使いの病菌を探り当てるだけでなく、その後のソリューションまでも考えている。
つづく
作成:Sanshiro 2016.07.16 更新:2016.07.30

東京から日本は変わる

 わたくしは都庁詰めの社会部記者だったことがある。もう遠い昔、都庁舎が有楽町(住所は丸の内3丁目)にあったころだ。
 現場記者はとにかく忙しい。結婚式を上げたいと思っていたが、なかなか日取りを決めることができない。そこで美濃部都政の3回目の選挙戦の間にむりやり押し込んだ。世論の支持率は高かったので波乱はないとみてのことだ。
 披露宴の会場は高輪の般若苑というちょっと洒落たところを確保できたので、これを面白がってくれそうな編集局や都庁の幹部にも招待状を送った。五方面クラブで親しくなった各社の若手記者も集まってくれた。
 宴がどよめいたのは都知事選の選挙を戦っている美濃部亮吉知事からの祝電と、対抗馬の石原慎太郎候補(自民推薦)からの祝電が披露されたときだった。都庁広報室スタッフのサプライズだったに違いない。披露宴には取材でいつもにこやかに応対してくれる太田久行広報室長(作家、童門冬二)の姿もあった。

 このころ都庁詰め記者のキャップから繰り返し教えられたことがある。 キャップは年期のはいった大先輩だったが、「都庁は大事だぞ。都庁での出来事はすぐ地方に波及するから」と口癖のように語っていた。そんなものかいなと思いながら新聞記事を眺めていると確かにそれらしき出来事があって納得したことを覚えている。
 東京が変わらなければ日本は変わらない―日本は東京から変わるのだ。このことを叩き込まれたことが今回、わたくしが都知事選に執着している理由の一つであることは間違いない。

 参議院選挙の結果は国民の意識が、わたくしが感じている危機感とはほど遠いものがあることを示した。そこに大上段に振りかぶった「広域サイバー行革」を持ち出したところで、おせっかいもほどほどにと無視されてしまうことだろう。
 現状認識のギャップは「発表されたものしか報道しないように」とトップが訓示しているというNHKのようなメディアがのさばっているからだと思う。政府の都合のいい発表だけを流していたら国民は洗脳されて、世の中はうまく運んでいると信じ込むに決まっていると一言いいたくなるが、現実は現実だ。いくら都民のため、国民のためを思ってのすばらしいビジョンでも発表のタイミング、計画の進め方には細心の注意を払わなければならない。
 
 1871年の廃藩置県は、大政奉還に続いて、大名の土地と領民の戸籍を返還する版籍奉還(1869年)で全国土の土地と住民を明治政府のものとする国有化を行い、2年間、調整してから発表した。抵抗した藩はとりつぶされるか武力で弾圧された。政府は新たに設置された県の知事に前の大名を任命するなどして不満の鎮静化を図った。
 それでも武士たち士族が大量に失職した。これら誇り高い武士は征韓論に賛同して、西郷隆盛をかつぎ、ついには西南戦争の内戦(1877年)に至ったことが知られている。
 廃藩置県を断行し、西南戦争で政府軍の指揮を取った明治の元勲、大久保利通は1878年5月、西南戦争の翌年に千代田区の紀尾井坂で地方の士族によって暗殺された。
 
 この現代にまさか明治維新のころのような反乱が起こるとは思われないが、なにしろ戦国時代が終わった江戸時代から500年近く、同じ土地で生まれ育った日本人にはとても強い土地とその文化に対する執着がある。直球を投げたら大騒ぎになるに決まっている。新しい行革の推進にあたってはその土地ならではの無形の文化、伝承の保存の継承にこれまで以上に配慮しなければならないと思う。

 急がば回れ。最初はそろりと税金の無駄使いが行われている所在の調査から始めたほうがいいかもしれない。
 それと政務のスピードアップとコスト削減を目的にしたインターネットを使った有権者の都政への直接参加の研究も進める。
 時間と空間をなくすインターネットで住民の
意向を調べたり、あるいは議決に参加する仕組みを創ることは、有権者の都政からの疎外感を和らげるだけでなく、うまくすると大きな節税効果をもたらす。部分的にこれを都政の運営に活用できるメドがついたら、直接民主主義で存在意義が低下する特別区23区の役割の再検討だ。
 このあたりから特別区の誇り高い議員先生や職員は、「もしかして『広域サイバー行革』というのは特別区の人員整理をねらっているのではないか」と警戒を強めるかもしれない。

 このような重大な案件が待ち受ける東京都知事にはタフな心臓を持った候補に当選していただきたいものだ。与野党の政党の推薦で出馬した候補は都庁に中央の政争を持ち込むだけで、なにもできないで終わるのではないかと思われてならない。 つづく
作成:Sanshiro 2016.07.15 更新:2016.07.30

日本発の金融恐慌は回避しなければならない

 じつをいうと、わたくしは今回の都知事選に自分自身で出馬しようと準備を進めていた。
 都庁33階の選挙管理委員会に行って立候補のためのキットをいただいて、届け出る公約を準備し、履歴書などを書いていた。NHKと日本テレビ、それとラジオのNHKと文化放送で放映・放送される1人5分30秒の録画撮りのときにいい声が出るようにとカラオケに行って声帯を広げるトレーニングもした。
 選管の事前審査というものがあって、それが7月8日(金曜)までの提出だというので、同日午後2時には必要な届け出一式を持ってうかがう予約まで取り付けていた。それが7日の晩、親族や家族の猛反対に会い、修羅場もあってつぶされてしまった。こうしてわたくしのリアルな出馬は幻に終わった。

 しかし手をこまねいてはいられない。都知事選に出て訴えなければとまで思い詰めた深刻な日本の財政問題はそのままだ。今回の都知事選で東京が本格的な対策に踏み出さないと手遅れになる。
 「アホノミクスの完全崩壊に備えよ」(角川新書、6月10日刊)の著者、浜 矩子氏(同志社大学大学院教授)は日本経済の自動均衡化が破綻して、恐慌という形で炸裂するのは「もしかすると2018年かもしれない。黒田日銀の国債保有高が日本のGDPの規模を上回る『そのとき』だ」とまで書いている。
 わたくしはもう少し先、2020年の東京オリンピックの後に襲ってくること必至の不況のときではないかと思うのだが、株価など金融商品は先を予測して動くのでオリンピックの前になんらかの波乱があっても不思議ではないだろう。それが浜氏のいうように金融恐慌ならば、日本発の世界恐慌になる。

 だからあせっているのだが、いくらなんでも最初からわたくしが出馬しようと考えていたわけではない。
 立てば必ず当選するであろう人物について思いめぐらしたら、それがいた。日本の女性を世界一にした男である。スピードと戦略、機動力で世界を制覇した人はなんとわたくしがよく知っている大学に奉職していた。
 早速、連絡してアポイントをいただいて大学にうかがった。ちょうど、教授会かなにかの前ということで、理事長も学長もいるので紹介しましょうということになり、3者の前で知事選の話を持ち出す流れになった。これがアダになった。驚かせるつもりはなかったのだが、選挙の話などはアカデミックな世界ではご法度らしくて、せっかくの和やかな会談の空気が凍ってしまった。
 お騒がせして申し訳ない結果になったが、わたくしはもったいないことをしたとまだ残念に思っている。スポーツと政治ではフィールドが違うといえば違う。だが所詮は人間の世界のことでお釈迦さまの手のひらの上の話である。世界各国の強豪チームを撃破して優勝に導いた人物の並々ならぬ能力は、東京都政どころかもっと大きな舞台でも通用すると信じている。

 わたくしの短兵急なコトの進め方は、日本の累積債務問題が5月の伊勢志摩サミットでのG7の結果、急速に危機的な段階に入りつつあると認識しているためでもある。本格的な対策をいまここで始めないと本当に破局を迎えかねないと心から心配しているので、つい入れ込んでしまい、家族にも見限られてしまった。

 参議院選挙で自公が勝利してもわたくしが懸念する財務問題の基調は変わらない。景気が悪化しているのに与党が勝ったのは、庶民の多くが100円、1000円の話だとよく分かるけれども、1000兆円などという国の借金のことになるとピンとこないせいだろう。
 累積債務問題がよく分かっていないのは、政治家もお役人も同じことだ。自民党の55年体制が崩れたあと、政権を取った民主党政権の時代にも日本の借金は減らないどころか漸増した。こうして日本は赤字国債なしには回らない国になり、それも限界に近づいて断崖絶壁に追い詰められている。

 そこでわたくしは知事選の間、このブログで持論の「広域サイバー行革」について、分かりやすく訴え続けようと思う。アベノミクスを批判するだけでなく、行き詰まった日本の財政問題を改善し、解決できるおそらく唯一の方策ではないかと考えている妙案だと自負している。

都知事選場外参戦記は、選挙期間中、続けるので、ごご笑覧ください。前代未聞の事態には前代未聞の奇策で戦います。
                          つづく


作成:Sanshiro 2016.07.14 更新:2016.07.30

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