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中東アフリカ改造30年計画

ブログの更新を忘れていたわけではない。前回に書いた地球改造論が、やはりどうしても必要なことが分かって、このタイトルで本をまとめていたのである。

ほぼ完成したのでブログを読んでくださっている方のために、どのような内容の本なのか、目次とまえがき、おわりに を収録して、あらかじめお知らせします。間もなくeブックランドで期間限定無料で電子出版します。

地球改造論 
日本の新幹線よ 中東アフリカを走れ!

目次
ものづくりの国日本の好機
第一章 幻のイラン新幹線建設計画
日本初の新幹線の海外輸出計画のすべて
第二章 イラン封じ込め政策の大転換
バグダッドがイランの首都になった日! 
第三章 アフリカゾウの悲鳴が聞こえる
サンゴの次は象牙 中国のアフリカ爆買いの果て
第四章 イスラム難民が殺到するヨーロッパ
日本は禍の根源を叩く戦略で貢献する
第五章 中東アフリカ改造30年計画
文明の危機を救う日本の使命
おわりに 
アフリカゾウが教えてくれた緊急事態

地球改造論
はじめに 
ものづくりの国日本に好機

 日本がものづくりで世界に貢献する時代が再び到来したようにみえる。
 インターネットがグローバルに行き渡ったいま、再び商品のクオリティに人々の目が向いている。そして世界を見渡せば、先端をゆく有用なすばらしい商品は太平洋の東岸の国、日本に集中している。

 見かけだけではない堅実なしっかりしたリアルな製品が不思議なほど日本という国にあふれている。世界中に売れる国際商品である自動車を製造する会社が、世界最大級のトヨタのほかに六社も七社もある。車一台は数万もの部品で組み立てられるが、それらの信頼できる部品を製造する工場が津々浦々にひしめいている。こんな国は世界のどこにもありはしない。
だが、この本のタイトルに掲げた地球改造は自動車ではできない。筆者がここにきて注目し、期待しているのは新幹線のことである。
新幹線の車両とか技術のことだけをいっているのではない。日本の新幹線というものが持つその可能性、ポテンシャルである。東京オリンピックの一九六四年に開業してから半世紀、五十五億人を運んで無事故という奇跡の記録を打ち立てた。空前にして絶後の快挙である。
このような産業はそれ自体が、大きな政治的パワーをはらむ。このパワーの凄さに日本人はまだ十分には気が付いていないようにみえる。

新幹線には開業して間もなく海外から引き合いがあった。イランからである。当時のパーレビ王政が、首都テヘランとマシャッドの間一〇〇〇キロに新幹線を敷設してほしいとをもちかけてきた。日本が営業を始めた東京―新大阪間五一五キロのほぼ倍の距離を結ぼうとする大工事だ。当時のパーレビ政権にはあり余るオイルマネーがあり、ぽんと十億円の着手金を払い、一九七八年にはマスタープランまでが完成して着工するばかりだった。
まさにその年、イランではシーア派イスラムによる反政府デモが激化する。翌七九年一月にパーレビ国王が出国。二月にはアヤトラ・ホメイニ師が亡命先から凱旋してパーレビ王政はあっけなく崩壊してしまった。
そして日本にとって初の新幹線輸出計画は、ペルシャ湾岸に建設中だった石油コンビナート(IJPC)もろとも夢と消えた。

あれから三十余年、またも大きな転機が訪れている。革命イランをあれほど敵視していたアメリカとヨーロッパ諸国がイランとの核協議で最終合意して、イランの国際社会への復帰の道が開けた。革命イランよりもっと過激なIS(イスラム国)を封じ込めるためにイランの力が必要になったという戦略的な判断があるとみられる。
危険な賭けだが、賽(サイ)は投げられた。
これに伴いイランへの経済制裁は徐々に解除されようとしている。二〇一五年八月には早速、日本の技術でイランの油田を開発しようというビジネスの話が始まった。

しかしアメリカの経済制裁に協調して、日本がイランから遠ざかっていた年月はあまりにも長かったのかもしれない。例の新幹線建設計画については再浮上したという話を聞かない。
かつて日本が新幹線を輸出しようとしていたテヘランーマシャッド間のルートにはドイツ企業がリニアモーターカー建設の調査に入っているだけでなく、中国も食指を伸ばしている。
中国は主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)のプロジェクトの第一号として、北京からバグダッドまでの鉄道建設を打ち出している。当然のことながらイラン国内のルートは昔の日本の新幹線計画と重なるものとみられる。イランはAIIB参加五十数か国の創設メンバーである。
ものづくりでは世界一なのだが、日本は窮地に追い込まれている。うかうかしていると世界中の大きなインフラプロジェクトはAIIBの中国に総なめにされてしまいかねない情勢だ。中国だけでなくヨーロッパ勢も容赦なく、国際競争は熾烈でほとんど絶体絶命に近い。

クオリティで勝る日本の製造業界にはわずかにチャンスは残されている。しかしながら背水の陣を敷いて臨まなければ挽回は難しいだろう。
このお寒い現実を直視して遅れを取り戻せるのかどうか。獅子の前髪をつかむくらいの強い意志とスピード、実現のために必要な内外のサポート体制の整備を急ぐ必要がある。

日本は新幹線と社会インフラ関連を中東やアフリカに輸出して経済発展に寄与する道を選択するときではないか。そのほうが歓迎され、喜ばれ、実績にもなってチャンスが広がる。
中東アフリカの混乱は、戦乱を逃れて難民の群れがEUに押し寄せるようになり、危機はヨーロッパにまで波及し始めた。
いまこそ日本は平和の回復のために持てるパワーを全開して貢献したいものである。
平和の国日本には戦場より市場が似合う。

                        横山三四郎

地球改造論
おわりに 
アフリカゾウが教えてくれた緊急事態

 夢物語である。しかし夢のままで終わってはほしくない。目を通してくださった読者は分かってくださると思うが一章から四章まではリアルなノンフィクションであり、いままさに起きている出来事なのである。
 筆者に最初に異変に気付かせてくれたのはアフリカゾウだった。ケニアの隣国タンザニアで過去五年間に六万頭ものゾウが密猟で減ってしまったという短いニュースが二〇一五年の初夏に流れた。さらに専門家が「これから十年から三十年で絶滅するかもしれない」と真顔でいうので本格的に調べ始めた。
 そして本業をそっちのけに三か月足らずで書き上げたものだが、中東、アフリカ、ヨーロッパはもともと筆者のジャーナリストとしてのフィールドでまったく目を配っていなかったわけではない。アフガニスタン、イランに足を踏み入れたのは一九七八年だから、かれこれ四十年近い経験がある。それをベースに短期間でまとめることができた。

 出版を念頭に書き始めたら、イランと欧米諸国の核協議が最終合意になったことが発表(七月十四日)になり、夏場には中東、アフリカからのイスラム難民が大挙してEU諸国に流れ込みはじめた。
 こうした出来事はすべてからみあっている。そして急速に悪化している。
緊急事態なので二〇一五年九月初旬で校了して電子出版することにした。これから以降の変化については読者の皆さんにご自身でフォローしていただきたい。

 この本で申し上げたいことは、大きく分けて三つある。
1、イランの国際社会への復帰で、日本に新幹線の輸出など大きなビジネスチャンスが生まれる。
2、日本の中東アフリカ地域への関与は、軍事ではなく経済と文化の面から行うのが望ましい。
3、日本は中東アフリカの平和回復のために、この地域の人々が豊かに繁栄できるような中長期的な構想のもとに貢献したい。

 中東アフリカ地域については長い間、ヨーロッパの主要国とアメリカが関与して日本はなかなか入り込めなかった。三章で詳しく書いたようにアフリカには近年、中国が食い込んでいるが象牙問題でミソをつけている。

いよいよここは日本の出番である。
実際、日本にしかできないのではないか。そんな気持ちが高まって、この本を書きだした。
日本が新幹線を先兵に中東とアフリカの再興に乗り出すならば、荒れ果てたこの地域の人々が再び未来に夢と希望を見て、平和を取り戻してくれるのではないだろうか。そうあってほしい。
中東アフリカへの新幹線の輸出は、単に新幹線を輸出してそれで済むというプロジェクトではない。大量輸送のシステムと同時に人々がそれによって繁栄し、豊かになるという展望が開けるようなものでなければならない。日本の鉄道マンたちの使命は中東、さらにはアフリカ諸国に日本のものづくり心を伝えて、人々に豊かになってもらうことにある。
そのためには新幹線に付随する鉄道のマネジメントの技術やスキルの地元への移転はもちろん、ターミナルの都市の建設など社会インフラの整備も同時進行で進められる、大規模な灌漑による緑の農地、耕作地の創造もいい考えだろう。それを実際にみて初めて、人々は過激派に惑わされることなく将来が展望できるようになり、落ち着いて安定した暮らしを営み始めるに違いない。これが最大の眼目である。

中東やアフリカは遠すぎる、国際政治の話はどうもよく分からないという方、あるいはイスラム教とかイラン革命についてもっと詳しく知りたいという方は、拙書「ペルシャ湾」(新潮選書、初版1989年刊)とセットで読んでいただければと思う。筆者が目撃したイラン革命の内幕を書いたもので、十刷りまでいった。いまではアマゾンで安く中古本が売られている。
日本の最初の新幹線輸出をぶち壊しにしたイラン革命の取材では、このような宗教革命が広がる将来を考えて背筋の寒くなる思いにかられたものだった。不幸にも的中して、あのときに予測したおぞましい光景がいままさに繰り広げられている。
宗教を信じるならばなんでもしていいと考えるような人々と同じ土俵に立つことはない。人は自由である。信教も自由だ。しかしそれは社会のルールの範囲内のことだ。これは国際社会でも同じことである。

この本で試みに掲げた中東アフリカ改造三十年計画が果たして成功するかどうか。狭くて険しい道である。しかし可能性がまったくないわけではないのである。たとえ不可能に近くても高く掲げて前に進んで、その衝撃波で恐るべき悲劇の連鎖を断ち切らなければならないと思う。
いま、中東とアフリカで起きていることは世界で最大の悪しき出来事である。
イラン革命以降の流れをなんとしても変えて、かけがいのない文明を守りたいものである。

一人でも多くの読者にこの意図が伝わって、平和建設という崇高な使命について考える人が増え、計画が軌道に乗ればうれしいことだ。その結果、日本に地球改造ブームが起きて賑わうならば、それ以上の喜びはない。
                           ご期待ください。
作成:Sanshiro 2015.09.08 更新:2015.09.08

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