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東京都知事選が終わって

2人の元首相がタッグを組んで東京都知事選挙を戦った。これが、ふつうの、ありきたりの選挙であるわけがない。現首相である安倍晋三の政治に対するあからさまな挑戦状だった。

エネルギー政策は政府の専管事項である。細川・小泉連合は「原発ゼロ」を掲げて、その転換を主張した。復興の大黒柱として戦後の日本を支えてきたエネルギー産業の鉄板の利権構造にクサビを打ち込もうとした。

老後をどうして暮そうか、などと悩む大多数の都民には、縁遠いテーマだった。しかし、2人の元首相にとっては、そんなことは織り込み済み。なにがなんでも若輩の、後輩の首相に文句をつけないではいられなかった。

かくて、降ってわいた都知事選挙に、「原発ゼロ」を唱えて立候補を宣言した。ムリは承知の闘いである。始めのころ、「負けてもいいから出馬する】と口をすべらせていたが、本音でもあったろう。それほど安部政権の政治に、わけのわからない不条理なものを感じて義憤が燃えていた。

これほどの憤激は、もちろん、原発問題だけであるはずがない。小さな島を巡ってこれでもかとばかり危機をかき立てて、それをテコに秘密保護法を布告するなど、戦前の政治体制への復帰をあからさまに目指しはじめた安部政権の外交と内政にも、深い憤りがあった。

外交・安全保障もまた都知事の仕事ではなく、政府の専管事項である。だから出馬したときは、自ら政府の仕事だと語って抑えていたけれども、安倍政権寄りのメディアに無視されて苛立ち、終盤にはNHK経営委員会の会長と委員の行状に言及して、「これが民主主義の国か」と街頭演説で批判した。

小泉元首相が街頭演説で繰り返し語ったように、高齢者問題、少子化対策、災害対策など生活関連の都の政策は、だれがやっても同じようなことしかできない。東京オリンピックにしても派手にやってお金を使えば、それはみな税金であり、都民のふところにかかってくる。責任ある首相の経験者には、到底、いえない話だ。そんな細川候補の公約は地味に過ぎて、景気が悪くなると受け取られたかもしれない。

そして9日の投票結果。細川候補は95万票で、共産党支援の宇都宮候補に次ぐ3位。一般には惨敗と受け取られたかもしれない。あるいは細川、小泉の2人の元首相もそう思って、いささかがっかりしているかもしれないが、わたくしはそうは考えない。

分析すれば、投票者のほぼ半数が「原発ゼロ」を支持し、「将来は原発をなくす」を合わせるとじつに4分の3が、「原発のない日本=原発ゼロ」を望んだ。細川候補の出馬がなければ、成し得なかった未来の日本への道程が示された。原発ゼロという日本のエネルギー政策の大転換プロジェクトは、ここに本格的に立ち上がり、起動した。

それと、見逃してならないのは、都知事選挙の過程で、目下の安部政権が進めているおそるべき政治の姿があぶりだされたことだ。

細川候補の応援にかけつけた瀬戸内寂聴さんは、21世紀のいまを「昭和16年のよう」と喝破した。昭和16年、1941年の12月8日には真珠湾奇襲攻撃が行われて太平洋戦争に突入した。そんなまがまがしい時代のにおいがするというのだ。都民はこのような見方があることをもっと知るべきだろう。

わたくしが都知事選を取材し、eブックランドのサイトで細川候補を応援するインターネット選挙まで行った理由は、まさしく寂聴さんが指摘したところにある。寂聴さんは「長生きしているから知っているのです」というが、それ以上に作家の鋭い勘、道理を重んじる僧侶としての洞察のセンサーが、危機の本質をとらえているのだと思う。

今回の知事選は、戦前さながらの政治を復活させようとする人々と、戦後の民主主義を守ろうとする人々の、本格的な戦端が開かれた出来事であったとみることができる。選挙期間中、主要なテレビも新聞も「原発ゼロ」を黙殺した。すでに始まっている戦争中よりもひどい大本営さながらの報道管制のなかで、細川候補と助っ人、小泉純一郎の2人の元首相はよくぞ健闘した。

細川陣営の掲げた不条理な政治との戦いは始まったばかりだ。やや少なめの得票は低い投票率のせいにすぎない。みんな 雪のせい。


作成:Sanshiro 2014.02.10 更新:2014.02.21

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