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ヨーロッパ統合もので、ついに5冊目の本を書いた。「ノーベル平和賞の超国家EUの知恵」(eブックランド刊)である。

第一の目的は、きな臭い極東アジアをノーベル平和賞をもらったヨーロッパの知恵でなんとかしたいというところにある。EUは各国の国家主権の一部を、国を超える超国家共同体に委ねて、戦争のできないヨーロッパを創り出した。

第二の目的は、主権を縛り上げて平和の大陸になったヨーロッパとは正反対に、東アジアは日本も中国も国家主権を叫んで偶発戦争寸前という異常事態だ。国家主権を追及する道はいつか来た道、戦争への道だから、他にも道はあるのだから、国家主義者、愛国主義者、民族主義者はもっと冷静になってほしいとお願いするところにある。

昨今の日本では、自民党と日本維新の会が天皇を元首にしよう、そのためには7月の参議院選挙で勝利しなければならないと全力を挙げている。民主党などは維新の会の復古的な綱領に辟易して、共闘はありえないときっぱりと袂を分かったと報じられている。

安倍晋三首相の経済政策が4月初めの時点では調子がいいので、このまま参議院選挙となれば自民党は相当な議席数を獲得するかもしれない。維新の会も石原慎太郎共同代表の知名度が高いこととその主張が単純で分かりやすいことから、復古主義勢力が改憲に十分な議席を確保するかもしれない。

日本の艦船に対してロックオンするほどの挑発を繰り返している中国の共産党政権は、天皇を戴く大日本帝国との激しい戦いのなかから誕生した。中国側の気持ちを逆なですることは避けられない。日本を自由と民主主義の国にしようと構想したアメリカもまた、天皇制の日本の復活は、戦後の極東の秩序を崩しかねないものをはらんでいると警戒するだろう。

自民党は戦後民主主義に育った世代が大多数の国民が、この問題で目を覚まさないよう気を使っているらしい。安倍首相は最初の所信表明演説では改憲に言及さえしなかった。好調な経済のオブラートに包んで、一気に改憲を実現しようとする戦術であることがうかがわれる。

わたくしは、復古主義政権の誕生を取材したことがある。イランのパーレビ国王が失脚してアヤトラ・ホメイニが凱旋したイラン革命である。当初、ホメイニ陣営には民主的な勢力も結集して王制を倒したのだが、すぐに穏健な民主的な勢力を追い落とす内戦に近い状態が生まれた。王制が倒れればより民主的な政治体制が生まれることを期待した学生たちは、抵抗も空しく刑務所に送られていった。

最後に実権を握ったのは、イスラムの教義を至上のものとする復古主義勢力である。これをみていたのが若き日のオサマ・ビンラディンだった。サウジアラビアの裕福な家庭に育ったビンラディンは、その財力でアフガニスタンを拠点にホメイニ師の教えに忠実にイスラム復古主義のテロリストを育て、そのメンバーがアメリカを攻撃する9.11を引き起こしたのだった。

この経緯については、わたくしは「ペルシャ湾」(新潮選書)に詳しく書いた。だから復古主義はとても危険だと考えている。石原慎太郎代表の都知事時代の尖閣諸島国有化の主張が、日中間の抜き差しならぬ対立にまでアッという間に燃え上がったのをみて、国民のなかにはおかしいぞと気付き始めている人もいるようだが、その声は小さい。

一旦、復古勢力が実権を握ったが最後、日本は戦前の天皇制に近い政治体制にシフトするだろうと思われる。不敬罪に似た刑罰も復活するに違いない。決して楽観はできないと考えている。

戦後民主主義に育った世代が、これを座して見過ごすほど腰ぬけとは思いたくない。しかし歴史のモメンタムは国家主権を叫ぶ危険なナショナリズムに傾いている。


作成:Sanshiro 2013.04.07 更新:2013.04.09

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