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沈黙の春 沈黙の世界

 

果樹の開花の季節の到来とともに、受粉に飛び回るミツバチが少なくて農家が悪戦苦闘しているニュースが列島各地から伝えられている。これまではミツバチまかせだった受粉に人手をかけなければならないために果物の値段の上昇さえ懸念される事態だという。

 

NHKのクローズアップ現代( 2008 6 12 日放映) がアメリカでのミツバチの失踪を報じて、日本でもにわかに関心が高まってきたミツバチの大量死は日本でもおきていたのである。

 

フランスでミツバチの死骸から、高濃度の農薬ネオニコチノイドを検出して、最高裁判所がその使用禁止の判決を下したというから、これが原因視されてきた。

 

半世紀ほども前になるが、わたくしが大学に入学する前の高校生のころ、空中散布の農薬が稲の害虫だけでなく、水田の魚や昆虫を大量死させたことがあった。軽飛行機が農薬を撒いた数日後には、無数の小魚が水田や小川で死んで白い腹をみせて浮かんでいるのをみた。

 

こうした農薬散布が毎年、行われるようになってから川魚は確実に減っていった。コイ、フナ、オイカワ、ナマズ、ドジョウを初め、清流にすむカジカ(海のハゼに似ている)までが姿を消した。わたくしは山形県の米沢方面から流れてくる松川が白川と合流して最上川になるあたりに生まれ育った“川の子”だから、こんなに悲しいことはなかった。

 

しかし、こうした農薬の使用は日本だけで行われていたのではなかった。そのころ農薬はアメリカでも大量に使用され、五大湖などアメリカ全土で鳥や魚に個体数の激減のみか、奇形などの異変を引き起こしていた。これをみて同じような悲劇が人間にも起きるだろうと告発したのが『沈黙の春』(レイチェル・カーソン著)である。

 

長じてその翻訳を読んだとき、アメリカで異変が起きた時期がまさにわたくしが農薬のために魚たちが白い腹をみせて死んでいるのを目撃したのと同じころであることを知って天を仰いだ。『沈黙の春』はグローバルな現象なのだった。

 

今回の地球規模でおきているミツバチ大量死が、有機リン系の農薬が効かなくなったために開発されたネオニコチノイド系農薬によるものであるとすれば、ほとんど50年ぶりの新たな沈黙の春の到来である。

 

受粉に異常をきたすのは、人間さまが食するリンゴやナシの果物だけではないだろう。この地上には無数の草花があり、それが果実を実らせて無数の昆虫、動物などが生きている。花と花を飛び交って実りをもたらすミツバチの死滅は、食物連鎖の断絶をもたらしかねない。

 

日本ではまだ原因をめぐって、ああだこうだの段階だが、ミツバチの大量死は、不況対策や豚インフルエンザの流行阻止に勝るとも劣らない大きな問題ではないだろうか。“沈黙の世界”にならないようにこれはみんなで考えたいことである。

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このブログを書いてから、座して四の五の言っているような状況ではないと考えて、取材に動いたところ、盛岡市の養蜂家、藤原誠太さんが同じように考えていることが分かり、早速、電子出版してくれるようお願いして快諾をいただいた。

藤原さんとは、じつは2008年10月、山形県で行われた「日本再発見塾 in 最上」でお目にかかったことがあった。奇縁とはこういうことをいうのだろう。 

しかも藤原さんによれば、アメリカでミステリーとされているミツバチの大量死の原因は、2005年夏にすでに盛岡市で大量死が起きた段階で、ネオニコチノイド系の神経農薬であることが突き止められているのだという。

ミツバチを殺す側は、行政と農薬会社の複合体であり、とりわけ農薬メーカーはグローバルな経営を展開している大企業だ。農薬には食料の確保と増産の大義名分がある。到底、太刀打ちできそうもない。

しかし危機に瀕しているのは、わたくしたちの生活であり、社会であり、地球の自然である。この事実が知れわたれば、必ずや農薬行政の見直しが始まるに違いない。すでにフランス、ドイツ、オランダなどでは神経農薬の使用禁止が打ち出されている。

eブックランドの「ミツバチを救え!キャンペーン」には多くの人の力を結集して、私たちのかけがいのない地球の生態系をなんとしても守りたいものだ。



作成:Sanshiro 2009.05.03 更新:2009.06.10

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