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講演するタイトルに「ビル・ゲイツに一泡 吹かせよう」と掲げた。


いわずと知れたマイクロソフトの総帥のことだ。聞き手は電子書籍や印刷関係の方々だから、分かってくれるだろうとは思うが、目を白黒する人もいるかもしれない。

 

結構、マジなのである。わたくしが電子出版のビジネスを始めたのも、考えようによってはビル・ゲイツのせいだといえる。いい機会だから、eブックランド誕生の秘密をお話ししておこう。

 

コトの始まりは 1990 年代にさかのぼる。超忙しい海外特派員から転身した後、大学でこれまでの経験を生かして国際関係論なる講義をしていたが、日本の政治経済の舵取りが歯がゆくてならない。

 

グローバルな目で日本経済をみれば、 90 年代の大不況の原因はまず第一に冷戦の終焉にあった。東西対立の狭間に位置する日本は、いわば自由・資本主義世界のショーウインドウのようなもの。いくら儲けてもアメリカは見てみぬふりをしていたが、ソ連共産圏が崩壊するや、激しい日本叩きに転じた。『文明の衝突』の著者、サミュエル・ハンティントンは「ソ連が崩壊した後のアメリカの敵は日本だ。日本が経済の分野でアメリカを凌ごうとしているのは許せない」と言った。びっくり仰天だが、本当のことである。

 

ジャパンバッシングの末、1ドル= 79 円にまで円をつり上げられて、日本経済が沈没しかけたところに、またまたアメリカが攻勢をかけてきた。冷戦が終わったからと民間に払い下げたインターネットの技術を駆使した究極の省コストビジネスである。

 

その象徴がマイクロソフトのウインドウズ 98 だったといっていいだろう。秋葉原でウインドウズ 98 のOSを搭載したパソコンを買おうと長蛇の列が続いたあのころ、日本経済はついに止めを刺されていたといってよい。

 

電子立国日本のメーカーはもはやウインドウズとインテルのチップなしには動かない電子機器の、単なる組み立て工場になり下がった。パソコンなど作ればつくるほど、世界一の金持ちになったビル・ゲイツのふところをさらに太らせるばかりという構造になってしまったのである。

 

ビル・ゲイツのマイクロソフトに、経済の動脈ともいうべき情報を握られた日本に再生の道はあるのか。いかにすれば窮地を抜け出すことができるのか。わたくしも日本人として専門外だなどといってはいられない。いろいろと調べて『ネット敗戦― IT 革命と日本凋落の真実』( KK ベストセラーズ 2000 1 月刊)という不景気なタイトルの本を出版した。「日本としても急ぎネット社会に転換しない限り、永遠に救われない」という結論の本だった。その年、森内閣がパソコンの操作を全国民に教えなければと予算を計上し、秋にはIT基本法が設けられて e-Japan 計画が始まったころをみると少しは役立ったのかもしれない。

 

虫の息だった日本は、ネットインフラの整備が次第に進み、ビル・ゲイツの後は追わないと決意しているシャープの技術陣が開発した液晶技術、さらには携帯電話の微細技術が世界の先端をゆくようになって、 2003 年春ごろからようやく復興し始めた。日本の工場は労働力の安い海外に立地して空洞化が進んでいたが、シャープの亀山液晶工場を皮切りに日本回帰も始まった。

 

あの『ネット敗戦』は面白かったと言って、電子書籍を読む読書端末の開発など未来の読書についての本を書いてほしい、と頼まれたのはちょうどそのころだった。これが『ブック革命―電子書籍が紙の本を越える日』(日経 BP 2003 12 月刊)である。

 

シャープが電子書籍コンソーシアムで読み手のための液晶技術開発にエネルギーを傾注して、ついには世界の液晶技術の最先端を開発したことを知るわたくしは、『ブック革命』の出版を機に自ら電子書籍ビジネスに乗り出すことを夢見るようになった。

 

世界のパソコンの中身の 90 %以上を押さえたマイクロソフトとインテルのWintel支配の構造はもはやどうにもならない。だからこれを追いかけても仕方がない。ならば、シャープのように読書端末の技術、あるいはそれを利用するサービスの分野からビル・ゲイツの鼻をあかす道を探してみたいと考えたのだ。

 

大それたといえば、大それた、身のほど知らずなドンキホーテ的な発想かもしれない。笑わば、笑え。しかしながらそれ以外の逆襲の方法はないとも考えている。

敬愛するビル・ゲイツにはなんとかして一泡、吹かせたいのである。

作成:Sanshiro 2006.05.30 更新:2006.05.31

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