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おかげさまで1周年


 eブックランドは11月1日で開業1周年を迎える。

 デジタル世界の変化のスピードはこれまでの7倍くらい早い。だからドッグイヤーと言われる。人間さまの7分の1しか生きられない犬にちなんでのことだが、このドッグイヤーで数えればeブックランドは7年も営業したことになるから、まずは大したものだ。

 この間、eブックランドにはコンスタントに作品の電子自費出版の希望が寄せられるようになった。このことは、eブックランドのビジネスが時の流れに乗っていることを示している。

 著作者にしてみれば、作品はときには命ほども大切なもの。わたくしももの書きだからよく分かるが、どこで、どのように出版するかは重大な決断だ。これはネットでも紙本でも同じこと、eブックランドでの出版を決断してくださった方々には感謝の限りである。

 eブックランドはNHKなどで何度かニュースになった。テレビや新聞に取り上げられるということは、eブックランドがそれほど先駆的なプロジェクトであることを物語っている。

 先駆性はまずなによりも第1に、出版費用が安いことにある。紙本での自費出版が200~300万円もするところを、eブックランドでは10万円以下でネット出版できて、パソコンなどで広く、多くの人に読んでもらえる。

 第2は、自費出版作品を最初からデジタル化してアップロードするところにある。出版社で紙本出版された作品をデジタル化して販売するネット書店はこれまでもあったが、電子自費出版を正面から掲げたのはeブックランドが初めてである。

 第3は、自力でデジタル転換すれば、その分、ネット出版費用が安くなる、半分の費用で出版できると謳ったことである。実際にこれを実行したのはまだ1人だけれども、やればできることが明らかになった。

 文字が伝える意味と思いは紙の上の活字でもデジタル文字でも変わらない。だから出版の喜び、醍醐味は電子ブックでも紙本でも変わらないのだということを人々に知ってもらいたい。これが、eブックランドを立ち上げた目的だったが、作品が自然と寄せられるようになって成功裏に達成された。

 次の課題は、これを可能にした新しいテクノロジーの恩恵を、もっともっと多くの人々に広めることだろう。いよいよマーケットでの勝負のときがきたといえる。

 幸い、時代の風はフォローに吹いている。電子書籍のマーケットは05年3月期までの調査(インプレス)で、前年比250%の伸びをみせている。日本中で光ファイバーのネットインフラが着々と整備されているのだからこの勢いは止まらない。05年後半から携帯電話会社の電子ブックの配信体制が整ったことも、電子ブックの利用がたちまち一般に普及するであろうことを予感させる。

 電子出版の草分けとしてeブックランドは「自費出版」のキーワードでGoogleやMSNの検索エンジンで上位を確保、「電子自費出版」ではどの検索エンジンでも常にトップの座を占めて、知名度が上がってきた。これからの事業には絶好の位置につけている。

 インターネットは距離と時間をものともしない。ネット出版された作品には絶版も返本もなく、追加の費用もなく半永久的に保存される。時空を超えるネット出版はとくに地方の良著、好著を全国に配信するのにぴったりだ。

 それと見逃せないのは、一旦、デジタル化された作品は、パソコンだけでなく、携帯やテレビなどにマルチに活用できるという利点だ。だれもがインターネットにアクセスするユビキタス社会では様々な形で利用されることが予想される。

 そんな時代はもう目と鼻の先だ。eブックランドは安価な電子ブックで新しい出版文化を興して、こんな時代ならではの読書スタイルを確立しよう。

作成:Sanshiro 2005.10.30 更新:2005.10.31

三島由紀夫が現代に生きていたら


最近、『三島由紀夫 エロスの劇』(松本徹著 作品社 05年5月刊)という本を読んだが、これは役に立った。昔からどうしてもとれない胸のつかえがすっと取れる思いがした。

1970年(昭和45年)11月25日、市谷にあった自衛隊東部方面総監部に楯の会とともに押し入って天皇陛下万歳を叫び、自衛隊員に決起をうながして割腹自殺した作家、三島由紀夫については、どうしても分からないところがあった。

当時、わたくしはなりたての警視庁捜査一課担当記者として、事件の発生をいの一番に本社に伝える立場にあった。その後も多くの大事件を取材したけれども、これほど不可解な事件はなかったといってよい。

 三島由紀夫の行動については幾多の報道、解釈がおこなわれた。それらも事件発生の一報を現場から受けたときの不可解の印象を解いてくれなかった。なぜ、作家はあのような行動にでたのか。『潮騒』などの華麗な文体と作家の自決との落差はあまりにも大きく、わたくしには謎のままになっていた。

 国際社会の仕組みやそれを動かすものを知れば知るほど、作家の行動は時代錯誤の狂気の果てとの思いがつのった。

『三島由紀夫 エロスの劇』は、作家の全作品と無数の証拠から、最期にいたる行動を突き動かしたものとして性的なファクターを抽出し、それを軸にわたくしが彼の行動に覚えた不可解を見事に腑分けしてくれた。

三島由紀夫はあの日、自衛隊の決起を叫んだところで自衛隊員が呼応するとは当人も考えてはいなかったという。だからこそ腹を切り、介錯してもらい、首級をささげて強烈にその主張を訴えたのだという『三島由紀夫 エロスの劇』の分析には説得力がある。

 いまごろになって三島由紀夫の行動が少しは分かるような気がするのは、彼が当時、認識していた世界状況が、いまや誰しもが考えなくてはならないテーマになってきているせいもあると思う。

 三島由紀夫は、日本が、日本たる所以の、日本の文化の大切さを訴えて散った。いまイスラム原理主義者たちは、中東のみならず、ニューヨークで、ロンドンで、バリ島で、己が文化を守るために自爆している。そうすれば自らは犠牲になろうとも親や兄弟たちの未来のために、民族の文化が守られるだろうと信じて.....

 『三島由紀夫 エロスの劇』は、長い間、わたくしが抱えていた難問を解いてくれた。だからといって、作家の発想のすべてが正しいと思っているわけではない。

 こういう少々、難しい本であっても、電子ブックとしてeブックランドで出版されれば、もっと多くの人々に読んでもらえるのになあ、と思った。紙の上の活字でも、液晶の上のデジタル文字でも、意味を伝え、考え方を伝えるということでは同じなのだから。

 三島由紀夫が現代に生きていたら、おそらくは自らの主張のためにインターネットをとことん利用していたのではあるまいか。

 

作成:Sanshiro 2005.10.08 更新:2005.10.31

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