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マクロン大統領の就任に思う

 なんだか今朝は、カラスにせかされているような気がする。フランス大統領選挙の決選投票から1週間もたってエマニュエル・マクロン氏(39)が正式に就任したというのに、なにをぐずぐずしているのか・・・とカーカー鳴く。

 うるさいから、はっきり言おう。
 テレビも新聞も、日本のメディアはマクロン大統領の誕生の意味を正しく伝えていない。
 なによりも重要なことは、今回の大統領選挙でフランス国民は「不戦条約」としてのEUを選択したというところにある。 EUは互いに戦争はしないことを誓ったヨーロッパの国々の集まりであって、難民ごとき問題で揺らぐような機構ではない。
 
 ”ヨーロッパ統合の父”とされるフランスのコニャック商人、ジャン・モネ(1888ー1979)はこう喝破していた。
 「戦争というのは、不可侵と称する主権を国家が振り回すところから始まる。戦争をなくすためには国家主権を自由にさせてはならず、しばり上げ、取り上げなければならない」
 普仏戦争、第一次世界大戦、第二次世界大戦と一世紀の間に3度の全面戦争に見舞われたフランスの教訓から編み出した政治哲学だ。モネによれば、ある国が軍備の強化に動き出すや、隣接の国々が恐怖をおぼえて一斉に軍備増強を始める。それが際限のない軍拡競争を引き起こし、軍事費が民生を圧迫するようになり、ついには戦争がおっぱじまる。

 だからヨーロッパ統合は、最初に戦争遂行に必要な戦略物資、石炭と鉄鋼を国家を超えた共同体という超国家機構に委ねるところからスタートした。1952年に正式に動き出した石炭鉄鋼共同体の代表にはジャン・モネが就任した。共同体は国家に干渉されないために意思決定にも多数決を採用するなど工夫がこらされ、今日に至るまでEU関係機関の基本ルールとされている。

 ひるがえって東アジアはどうか。
 ご覧の通り、唖然呆然、ものの見事にジャン・モネの指摘が現実のものになって目の前で展開されている。軍拡競争はとめどなく、ついにくるところまで来たようだ。
                         つづく
作成:Sanshiro 05.15 11:46

 今朝はカラスよりも早く起きた。
 5月8日の月曜日はフランス大統領選挙の決選投票の開票日。日本時間の午前3時(現地時間午後6時)には速報が流れる。
 EUの申し子ともいうべきエマニュエル・マクロン(39)が勝つことは分かっている。しかしその勝ちっぷりはどうか。対抗馬のマリーヌ・ル・ペン(48)の得票はどうだろう。

 フランスはドイツとともにヨーロッパの27か国を束ねる基軸の国である。任期5年だから近未来のヨーロッパの動向を占う選挙だとといって過言ではない。ましてイギリスがEU離脱を決め、自分の国さえよければいいという「アメリカ・ファースト」のトランプ政権が誕生した後だけに注目しないではいられない。

 予想通り、フランス国内の投票が閉め切られるや、マクロン大統領誕生へと速報が流れた。ル・モンド紙の出口調査では得票率はマクロン候補が65.1%、ル・ペン候補が34.9%だという。大差の勝利で、ヨーロッパのさらなる不安定化の観測は一掃された。

 安堵の空気を反映して、開票後、一番に開かれた東京の株式市場は450円高の暴騰をみせ、日経平均2万円の大台にあと一歩に迫った。

 ただ、わたくしは第1回投票に向けて、EUからの離脱を掲げて選挙戦の先頭を走った国民戦線のル・ペン候補の善戦ぶりが気になる。中東・アフリカからの難民問題はなにも解決されてはおらず、フランスで国民投票が行われれば可決されかねないレベルの支持率だ。

 もともとフランス人は愛国主義者が多い。自国通貨フランを放棄してユーロを採用するヨーロッパ統合を問う国民投票は、それこそ薄氷を踏む僅差で批准に漕ぎつけたものだった。1992年のEUを創出するためのマーストリヒト条約は、賛成51.05%、反対48.95%というきわどさ。それでも勝ちは勝ちだった。

 子供のころからユーロ通貨を握りしめて育ち、国境のないヨーロッパに生きてきたマクロン大統領に、それ以前のフランスへのノスタルジアはない。だからEUの是非を国民投票に委ねるような、イギリスがしたようなへまをすることはよもやないだろう。

 しかし政治の世界は一寸先は闇、かつてわたくしがジャーナリストだったころの古戦場、ヨーロッパにまた目をくばってみようと思う。

作成:Sanshiro 05.09 18:25 更新:05.14 17:51

「希望の塾」の開講を祝福してグリーンの流れ星が飛んだ

リリーの追っかけとしては小池百合子政経塾に参加しないではいられない。10月30日に記念すべき「希望の塾」の開講式に出席した。

冒頭、小池都知事が明らかにしたところによれば、応募者の総数は4800人超、その中から2900人超が塾生として選ばれた。
応募は予想された通り、都民だけでなく九州から北海道まで全国各地から寄せられ、海外のハワイから応募して塾生になった若者もいた。既成の政治を打破しようとするリリーの東京大改革にたいする関心と共感は日本列島全体に広がっていることが裏付けられた。

政治家が主宰する政治塾としては日本の政治史上、最大のスケールである。このため開講式はJR池袋からそう遠くない大学の講堂で午前10時、午後1時、同4時、同7時からと4回に分けて行われた。
小池都知事も、地方自治体の行政について講演した豊島区の高野夫之区長も、同じことを4回、話さなければならずご苦労なことであった。

開講式が終わったその晩、日本列島上空に巨大な流れ星が出現した。
国立天文台に青森、秋田、新潟、さらには神奈川など首都近郊から多数の目撃情報が寄せられた。それによれば流れ星は31日の未明、緑色の光を放って飛んだという。

緑、グリーンは小池都知事のシンボルカラーである。大きな流れ星が現れて緑色に輝いて飛んだのは「希望の塾」のキックオフを祝福するためであるに違いない。天も祝うとはなんという瑞兆であろうか。

有権者をなによりも大切に、東京大改革に着手した小池都知事の行政のスタイルは、これまでの根回しと談合が横行する日本の政治手法とはまったく異なる。
「希望の塾」の発足は古い日本の政治との真っ向勝負のバトルが始まったことを意味する。最後は太平洋戦争の敗戦とアメリカによる戦争に終わった日本の古い政治との最後のバトルが始まったのだとわたくしは考えている。

これまでも改革を志した政治家としては日本維新を率いた橋下徹のような方がいた。しかし守旧の権化で、たいそうな息子思いの石原慎太郎に抱きつかれて路線を見失い、政治勢力としては失速した。
この点、小池都知事は豊洲市場移転問題で関係の市場長ら8人を懲戒処分するとともに、このような事態をもたらした、のんべんだらり、弛緩した石原都政の責任までも追求しようとしている。石原元都知事といえども責任追求を逃れることはできないだろう。

小池都知事には石原慎太郎との間に父親の時代からのしがらみがあった。これを豊洲市場問題でスッパリ断ち切ることができたのは、新しい日本の政治を目指す小池都知事にとっては幸運なことであった。これまた小池都政にとっては願ってもない天の配剤だったとみている。

もはや「希望の塾」の前途を阻むものはない。
しかし政治こそはリアルな戦いの場だ。マネーまみれのドンたちの古い政治勢力との総力戦は始まったばかりである。


作成:Sanshiro 2016.11.03

小池都知事は大変なあげまん女性なのではないか

国際社会で東京の地位がグングン上がっている。
アメリカの観光情報誌「コンデナスト・トラベラー」が10月19日に発表した「世界の魅力的な都市ランキング2016」によれば、東京が世界1位にランクされた。2位が京都。

観光に関心のある世界中の人々10万人以上が投票して決められるランキングである。フランスのパリやロンドン、ニューヨーク、イタリアの常連のローマやフィレンツェをそっくり蹴落としてのランクインだから、相当に価値ある称号だといえる。選ばれたのは「近代的な高層ビルが林立しながら歴史的な神社や寺院も共存し、美食の都としても最高の都市だから」と、べたほめだ。

これまでかなり下のほうにランクされていた東京がトップになった第1の理由は、テロの恐怖がないところにあるとにらんでいる。いまや欧米の主要都市では心のどこかでテロがありはしないかとヒヤヒヤしていなければならないが、その点、平和な日本の首都東京はとにかく安心だ。

しかしそれだけでは、突如、世界の観光業界のトップに躍り出た訳の十分な説明にはなるまい。わたくしは東京の初の女性都知事として小池百合子さんが就任した公報宣伝効果がとても大きいとみている。

リオの閉会式で見事な英語のスピーチでデビューした小池都知事は、その後、五輪施設に大なたを振るっている。これがおもしろおかしく海外に東京発で発信されている。これを読んだり見たりした観光客は「そういえば東京はおもしろいところだったなあ」と改めて思い出して、大挙、投票したのだと思われる。

もう一つは国内のシンクタンク「森記念財団都市戦略研究所」が2008年から発表している「世界の都市総合力ランキング」だ。
最近発表された同研究所の2016年の報告によれば、8年連続して4位だった東京が、ロンドン、ニューヨークに次いで3位にアップした。躍進した。これまで不動の3位だったパリを抜いての大躍進である。

小池都知事は選挙中、「キャスターをしていたころの世界の大都市はロンドン、ニューヨーク、そして東京の順番だった。当選したら東京を再びかつてのように元気にしたい。そのためにも投票してください」と街宣車から訴えていた。それを就任から3か月足らずで実現してしまったから恐れ入ったものだ。

小池劇場は相変わらずの賑わいをみせている。の報道によると、東京都という厳密はローカルな話題だが、小池都知事に関する豊洲市場の移転と五輪施設のコスト削減に関するテレビ番組は地方での視聴率が、ほとんど都内と変わらないほど高い。高いだけでなく、視聴率が下がらなくて、担当のプロデューサーさえ首をかしげているという。(デジタル朝日)

ビデオリサーチ調べによれば、小池百合子氏が都知事に就任した8月から9月7日までの平均視聴率は関東地区8・4%、関西地区8・5%。民放各社の午後のワイドショーは5%で合格点と言われる時間帯なのだが、10%を超える日もあるという。視聴率は広告の単価にもはね返るとなれば、各局がねじりハチマキで都政番組の早撃ち競争を演じ、午前中も朝から報道しているのも分かろうというものだ。

10月18日午後、NHKを除く日テレ系、TBS系、フジテレビ系のテレビは小池都知事と国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長との会談の模様を約40分にわたって、CMをほとんど入れずに生中継した。なかにはほぼ2時間にわたって都庁関係の話題を流した民放局もあった。前代未聞である。

ましてその日の売上げが実入りのタブロイド紙が、目の色を変えて小池劇場関連の特ダネ競争は当然である。連日、トップページに小池都知事の活字か写真を見ない夕はない。そうでもしないとタブロイドは売れなくなっているのではあるまいか。いまやテレビ局のロデューサーとタブロイドの編集長は新宿の都庁ビルに足を向けては寝られないに違いない。

小池都知事が打ち出した都政の見え化、透明化政策はものの見事に当たったといえる。東京市場に10月に入って外国人投資家が戻ってきた。この理由についてはもう少し調べなければならないが、東京都は相当なあげまん女性を都知事に迎えたようだ。

作成:Sanshiro 2016.10.23 更新:2016.11.03

バッハIOC会長を味方につけた英語力

前代未聞である。
都民のみか、全国民が小池百合子都知事とトーマス・バッハIOC会長の会談をLIVEで見守った。双方の随員ともどもが連なる会談の模様は、大手の民放各社とネット系TVによって全国中継された。

バッハIOC会長と随員一行はテレビカメラの砲列に戸惑っただろうけれどもおくびにも出さず、ジョークも交えて言うべきことを明快に語り、それがストレートに国民に届いた。小池都知事の見える化、透明化政策というのはここまでやるものらしい。

バッハ会長は、冒頭、小池都知事がリオでの会談の折に吹き込んでおいた「日本にはもったいないという言葉がある」というもったいないの精神を尊重するとして、東京都の予算削減の姿勢を容認した。ここに小池都知事のリオの閉会式で聴衆を驚かせたという達意の完璧な英語が生きている。

ただ、TOKYO2020の巨大施設をめぐる小池都知事と森喜朗会長の対立にはIOCも重大な関心を持っている。早期に解決して事態の沈静を図らなければならないと考えている模様で、バッハ会長は、東京都、森会長の組織委員会、丸川五輪担当相にIOCが参加する4者会談を提案した。

実際、巨額な利権のからむ五輪施設をめぐるこじれはこわい。すでに談合の刑事事件の霧さえ立ち込めている施設でもある。ブラジルでは事情は違うが、リオ五輪の最中に国家予算予算の粉飾問題で現職の女性大統領が上院で罷免されるという異変があったばかりだ。IOCがボート・カヌー競技について韓国での開催を検討しているのは、IOC副会長が「海の森」での開催に執着しているだけでなく、なにが起こっても不思議ではないと危機感を募らせている表れでもある。

このあたりの読みは、経験の長いバッハ会長らIOCのほうが深いのかもしれない。
復興五輪の原点に戻って宮城県で開催できれば、被災して5年を過ぎてなお打撃から立ち上がれないでいる東北地方の人々を元気づけることは確かだ。山形県生まれのわたくしも望んではいるが、小池都知事も妥協を余儀なくされるかもしれない。東京都の新たな試算で、よけいな付帯施設を削除すれば事業費を300億円ほどに圧縮できるという報道もかけめぐっている。

ともあれ、ボート・カヌー施設などの見直しは、10月中に小池都知事が決断し、国内の関係団体とすり合わせたうえで、IOCから提案の4者会談が11月に開催されてひとまず決着をみる見通しが出てきた。そもそも五輪は開催する東京都議会とIOCが結ぶ民事上の契約だから両者の呼吸が合えばシャンシャンと行くはずだ。

問題はまだまだ山積している。当座、この問題だけでも解決の見通しが出てきたことは喜ばしい。

作成:Sanshiro 2016.10.19 更新:2016.10.19

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